林民夫。 糸 2┃林 民夫|幻冬舎 電子書籍|note

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奨奈です! 読んだ本の感想を書いています。 作中のフレーズも抜粋しながら 若干自分語り多めに書いています。 今回は、林民夫さん作「糸」を読みました。 中島みゆきさんの大ヒット曲である「糸」を物語化した小説です。 死ぬほど心に響きました。 このセリフ、私だから言えるんだと思います。 だって本当に死んだから。 この本を読んで、心が苦しくなって、感動して、希望を得て、終わりを知って、心に響いて、一旦死んだ私だから いや本当に冗談抜きで、現在病院にいる私が言っています。 この本を読むと、 人は出会うべき人に、出会うべきタイミングで出会っているんだと思い知らされます。 運命の赤い糸は確かに存在していて、でもその糸は絡まったり解れたり時には切れてしまうことがあることを知ります。 人を「誠実に愛する」とはどういうことかを考えさせられます。 あなたは、10年以上かけて誰かを愛し続けたことはありますか?「好きでい続ける」ではありません「愛し続ける」です。 ずっとずっと誰かを思い、その人の幸せを願い、思いを馳せた経験がありますか? そしてそれだけの強い気持ちがあるからこそ、行動せずに耐えた経験がありますか? きっと、ほとんどの人が経験したことはないでしょう。 ここまで本気で人を好きになれる可能性を秘めているって、人は本当に素晴らしい生き物ですね。 えぇ、私は心に決めましたとも、何年経っても何十年経っても、この本をくれた彼を想い続けます。 その時の感情が「恋」や「愛」のままであるかどうかはわかりません。 他の誰とも出会っていないとも言い切れません。 でも私は、何年経っても彼の幸せを願い続けると決めました。 決めましたというよりも、絶対そうなるだろうなと感じました。 この本、この本の元となった楽曲のタイトルにもなっている 「 糸」。 これは一人ひとりの人生を糸に例えているのですが、この小説を読むことで、 人生は1本2本の糸で構成されているわけではないのだと気付かされます。 自分という糸の周りに、あの人の糸、この人の糸、まだ見ぬあの人の糸が多数存在していて、それらの糸が、触れ合うべきタイミングで触れ合い、必要に応じて絡み合い、必要に応じて切れ、必要に応じて巡り逢う、そんな風にして人生はできているんだなということに気付かされます。 人生において無駄な出来事なんて、本当に何一つないんだと、思い知らされます。 今まさに苦しさの真ん中にいる人に、「だから安心してね」と言っても簡単に信じることはできないと思います。 ですがこの本を読むことで見える世界が絶対にあるはずです。 今起きている出来事の意味を考えることができるはずです。 だから、そんな人にこそ読んでほしい小説だと、思いました。 ちなみにこちらの小説、 主演:菅田将暉さん/小松菜奈さんで、映画化されました。 当初2020年4月24日に公開予定でしたが、コロナウイルスの影響により、延期となっています。 その映画版の予告がもう泣けるのでぜひご覧ください。 [裏表紙「糸/林民夫」] 北海道で生まれ育った高橋漣は、花火大会で出会った園田葵に一目惚れ。 彼女が養父から虐待されていることを知るが、まだ中学生の蓮には何もできなかった。 それから八年。 漣は地元のチーズ工房で働き、葵は東京にいた。 遠い空の下、互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。 それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り逢うまでの物語。 読む前のイメージ 存在こそは知っていたものの、中島みゆきさんのファンでもなければ、曲から派生した小説を普段読まないこともあり、手に取ろうという意思は、初めありませんでした。 そんな私がこの本を読むことになったのは、彼がくれたから、でした。 会えなくなる何日前だったでしょうか。 本を手に取った瞬間に思った最初の感想は「あ、これ知ってる」程度でした。 そして裏表紙を見て息を飲みました。 「互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。 それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り合うまでの物語。 引用:裏表紙 」 彼は、この裏表紙を見て私にプレゼントしようと思ったのか、それとも単に話題の作品だから手に取ったのか、定かではありません。 でも、彼がくれたことに意味があるこの本を、読まないわけにはいかないと思い、読み始めることにしました。 ちょぴっとネタバレ 主人公は 高橋漣 ( たかはしれん )と 薗田葵 ( そのだあおい )の二人。 その他にそれぞれの友人などが登場します。 この記事ではある程度焦点を絞るため、主にこの二人のことにのみ触れて解説します。 平成13年冬・美瑛 北海道の美瑛に住む中学生の漣と葵が、親の目を盗み無謀な旅に出ようとしているシーンから始まります。 旅の行き先は海を渡った先にある青森。 二人は雪が降る寒い冬の日に、旅を目論みます。 ただの家出ではありませんでした。 この旅の目的は、蓮が葵を助けることでした。 葵は、母親の彼氏 養父 から日常的に虐待を受けており、そのことを知った漣が、助け出すために計画したことでした。 しかしこの逃亡は、警察の手により1日で終わらされてしまうことになります。 複数人の警察に見つかり、それぞれ別々の方向に引き裂かれる蓮と葵。 「漣くん!漣くん!」「葵ちゃん!!」と何度も叫び合う二人のシーンに心が痛みました。 警察の方も仕事とはいえ、何も事情を知らない大人が二人を引き裂くシーンです。 蓮にとっても葵にとっても絶望的なシーンだったことでしょう。 そして警察により引き裂かれた二人は、会えなくなります。 平成21年・東京 引き離されてから8年の年月が経ち、二人は東京で開催された友人の結婚式で再会します。 その日を迎える前から葵に会えることを知っていた漣は、何を話そうか、どう話そうか、何を聞こうか、様々なことを考えますが、本人を目の当たりにし、言葉が上手くでてきません。 結局、簡単な挨拶と他愛もない会話だけをして再び別れそうになる二人ですが、漣はそれじゃだめだと思い直し、去っていく葵を追いかけ声をかけます。 漣の声に振り返り、「漣くんと会えてよかった」と告げる葵に、近づこうとする漣ですが、葵は知らない男性の車の助手席に乗り去っていってしまいました。 このシーンのあとの一節が、私の心にも刺さったので抜粋します。 [抜粋 p54] 一度引き離された手は二度と元には戻らない。 二度目のチャンスはこの世界にはないのだ。 わかっていたはずだった。 この再会にひそかな期待をよせていた自分のあさはかさを笑うしかなかった。 なぜ走ったんだ。 いまさらなにを再び掴もうとしていたのか。 もし二人の物語があったとしたら、これが終わりの光景なのだ。 漣の気持ちを思うと切ないです…思い続けていたのは、忘れられないでいたのは自分だけだったのだと悟るシーンですから。 でも私が漣でも期待を寄せるだろうし、走るだろうし、掴もうとしてしまうだろうなぁ…。 でも大丈夫です。 まだ小説の10分の1くらいしか進んでいないページでの出来事です。 平成21年・美瑛 葵との再会後、北海道に戻りしばらく経った頃、漣は地元のチーズ工房で働き始めます。 そしてその工房で働いていた 桐野香 ( きりのかおる )と付き合い始めます。 一緒に過ごして、一緒に働いて、一緒に笑い合って、一緒に暮らして。 何の変哲もない日々を過ごす漣は、 「普通に暮らせること」の幸せを噛みしめます。 かつて葵が望んでも手に入らなかった生活がコレなんだと、今ある日々をとても大切に感じます。 しかし私はこの「幸せを感じるシーン」すらも「思い出に苦しんでいるシーン」なんだと感じました。 幸せを感じられているのは過去のおかげではありますが、未だに過去の出来事が漣を苦しめているのだなと、思いました。 そして、どうか、彼にとって私もそんな存在でありたいと思いました。 彼には幸せになってほしい。 心からそう思います。 でも、その幸せの片隅に、私との思い出が存在してくれていたら、嬉しいなと思います。 そして漣は「この町で普通に生きていく」と心に決め、暮らしていきます。 平成22年・美瑛 漣は香と暮らしていく手続きをするために区役所を訪れます。 そしてそこで思わぬ人と出会います。 葵です。 葵は母が危篤であると聞いて戻ってきたはいいものの、住所の情報がなく、調べるために役所を訪れていました。 神様って本当にいたずらが好きですよね。 どうしてこういうタイミングで再会をさせるんでしょうね。 葵にとって母親とは「虐待を黙認していた人」でしかありません。 葵は「恋人の暴力が娘に向けられているのを止められなかったことを一度でいいから謝ってほしいから会いに来た」と言います。 漣は一緒に探すことを伝えます。 このときの漣の言葉がジーンときたので抜粋します。 [抜粋 p113] 俺、あれから、あんなことはなんでもないような振りをして生きて来たけど、なんでもなくはなかったんだ。 なんでもなくはなかったんだよ。 ああああああああ…… どうか、あのポーカーフェイスの彼も同じ気持ちでありますように… そして漣と葵は、過去の出来事を精算するためにも、葵の母親探しを続けます。 母親を探しながら移動している最中、葵は引き裂かれたあの日以降のことを漣に話しました。 虐待に気付いた警察から逃れるために養父は失踪したこと、母親と一緒に東京に引っ越したこと、学費を稼ぐために水商売の仕事を始めたこと。 しかし葵はすべてを話しませんでした。 水商売で働いたあとにどうなったのか、友人の結婚式の日に迎えに来ていた男性は誰だったのか、その人と一体なにがあったのか。 現在その人と沖縄で暮らしている理由は何なのか。 ネタバレになってしまうので私もここには書きません。 あのあとの葵の人生も色々なことが起きていました。 出会う人も問題のある人ばかり。 でも、そういう人こそほど優しい心を持っているんだなと思いました。 作中には車で迎えに来ていたあの男性の過去も、描かれていますが、本当に胸が苦しくなりました。 やっぱり 「 正しい愛され方」をされていない人は、「 正しく愛したくても愛せなくなってしまう」のだなと、改めて感じました。 兎にも角にも、葵がこの人と出会えてよかった。 そして母親を探す二人を待ち受けていたのは、葵の母親が既に他界しているという事実でした。 ここで葵は、葵の母親の過去について知ることになります。 どんな恋愛をしてどんな人を好きになって、葵の父親はどんな人で、なぜその人と一緒に居なくなってしまったのか、離れたあとどうしたのか、一人で葵を抱えどんな気持ちでいたのか、葵は知ることになります。 葵の母親はどんな過去があったと思いますか? そして葵は消え入りそうな声で漣に「一度でいいから謝ってほしかった」と言います。 そしてその言葉に続けて「でも、本当は、一度でいいから、抱きしめてほしかった」と涙を流しながら言葉にします。 そんな姿を見て、葵を抱き締める漣ですが「漣には今の人生がある」「離れないと」と葵は感じます。 しかし 意思とは逆に、漣にしがみつく葵。 あーーーーー想像するだけで胸が苦しくなります。 そんな二人ですが、このあと空港で、しっかりと別れを告げて離れます。 「俺は、ずっとあの町で普通に生きていく」 「じゃあ私は世界を飛び回る」 と笑い合い、お互い力強く、さよならを伝え合いました。 さよならを告げたあとの葵の行動と心情に、心が苦しくなりました…。 平成23年・美瑛 香と結婚した漣は、幸せな日々を送っていましたが、妊娠が発覚したあとに香に腫瘍が見つかります。 漣も香の両親も、出産より癌の治療を優先してほしいと伝えますが、当の本人がそれを受け入れようとしません。 「治すから。 絶対治すから。 絶対生きるから」と言い切る香はとても格好良かったです。 そして香は無事に出産を果たします。 本当に、本当によかった。 それから3年、二人の子供である結もすくすくと成長し、香の癌も再発せずに順調に日々を過ごしていた漣ですが、神様のいたずらですね、香は癌を再発してしまいます。 治療して助かる見込みもなく、みるみるうちに衰弱していく香。 そして香は平成26年の秋に命を引き取ります。 最後の漣と香の会話が、すごく深くて、ぜひ世の中に広めたい会話でしたので抜粋させていただきます。 大好きな人と離れてしまった人、もう一度巡り逢いたい相手がいる人は、特にゆっくり真剣に読んでいただければ幸いです。 [抜粋 p196] 「運命の糸って私はあると思う」言葉は、どこか遠い場所から聞こえてくるような気がした。 「でもその糸はたまにほつれる。 切れることもある。 でも、またなにかに繋がる。 生きていれば必ずなにかに繋がる。 そういうふうにできてるんじゃないのかな、世の中って」香は、目に見えない森厳としたなにかを見つめているかのようだった。 「結のこと頼むよ」「もういいって」「でも漣には……」「聞きたくねえんだって!」「これだけは言わせて!」たまらず出てしまった漣の大声より、さらに大きな声を香はかぶせた。 「誰がなんと言おうと、この人生に悔いはない。 私は幸せだったんだから」 ああああああああああああああああ もうね、案の定ね、私は大号泣でしたよ。 夜、北海道のまだ風が冷たい浜辺で。 なんでそんな場所で読書をしていたのかはいつの日にか記事に書きますね もうね、どうして人生って一筋縄でいかないんでしょうね。 どうして同じ人を何度も苦しめて、そのたびに幸せな時間も与えるんでしょうね。 でも香も発した 「生きていれば必ずなにかに繋がる」というのは、本当なのだと思います。 何にも繋がらない人って、本当にいないんだと思いました。 さて、このあとの出来事はネタバレになってしまうので書きません。 このあと漣と結はどんな生活を送ると思いますか? 漣と葵の関係はどうなっていくと思いますか? 恐らく今あなたが想像しているパターンのどれでもありません。 漣が葵を探しに行く?違います。 漣と葵がまた偶然に再会して思いを伝え合う?違います。 結まで死んでしまう?違います。 葵も病気になってしまう?違います。 うあああああああ思い出すだけで目がうるうるしてきます。 きっついなー。 ああああああああ、でも本当に感動する、いい最後でした。 書きたい、書きたいけど書きません!書いてしまってこの本の読者が減ってしまうのは淋しいので!!ぜひ、この小説を手にとって、あなたも最後のシーンを見てほしいと、思います。 最後に、この小説の元となった中島みゆきさんの大ヒットソング「糸」の動画をカバー版ですが貼っておきます。 この小説を読んでいなくても心に響く名曲なので、聴いたことがない方は、歌詞にも注目しながら、ぜひ一度聴いてみてくださいね。

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映画『糸』公式サイト

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【内容情報】(出版社より) 北海道で生まれ育った高橋漣は、花火大会で出会った園田葵に一目惚れ。 彼女が義父から虐待されていることを知るが、まだ中学生の漣には何もできなかった。 それから八年。 漣は地元のチーズ工房で働き、葵は東京にいた。 遠い空の下、互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。 それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り逢うまでの物語。 【内容情報】(「BOOK」データベースより) 北海道で生まれ育った高橋漣は、花火大会で出会った園田葵に一目惚れ。 彼女が義父から虐待されていることを知るが、まだ中学生の漣には何もできなかった。 それから八年。 漣は地元のチーズ工房で働き、葵は東京にいた。 遠い空の下、互いを思いながらも、すれ違いと別れを繰り返す二人。 それぞれの人生を歩んできた男女が、再び巡り逢うまでの物語。 【著者情報】(「BOOK」データベースより) 林民夫(ハヤシタミオ) 1966年生まれ。 脚本家。 映画「永遠の0」で第38回日本アカデミー賞優秀脚本賞、「空飛ぶタイヤ」で第42回日本アカデミー賞優秀脚本賞を受賞。 脚本作品多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです).

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糸 3┃林 民夫|幻冬舎 電子書籍|note

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林民夫さんの「 糸」を読み終えたので読書感想文を書きます。 林民夫さんの作品は初めて読みました。 この「 糸」という作品は中島みゆきさんの歌をベースにしてるのかな? 中島みゆきさんの「糸」は大好きな曲で昔に「 聖者の行進」というドラマの主題歌にもなってましたね。 その「聖者の行進」では、ひどい虐待があったりでハレーションを起こした内容でしたが、その中でも中島みゆきさんの「糸」が流れるとなんとも言えない気持ちになったことを思い出しました。 主な登場人物 高橋漣:主人公。 葵という女性を12歳の時から思い続けていた。 後藤弓:8年間近くにいた竹原と結婚をした。 美容師をしていて、一見は華やかそうではあるが、心のどこかで濁った気持ちを抱えている。 個人的には同類じゃないかと思えてしまう。 竹原直樹:そんな弓をずっと一途に想い続けた真っ直ぐな性格の人間。 空気は全然読めないらしい。 園田葵:子供の頃に母ちゃんと同居をしている男から暴力を受けていた。 そのこともあって、故郷の北海道を去って東京へ。 所感 葵を中心として物語は進んでいくのですが、この葵の生い立ちがまた辛いんです。 子供の頃に虐待にあってたり、大人になってからも同居していた男がリーマンショックの影響で破産してしまったりと、なにかと男運がないというかなんというか…。 てっきり漣と葵の2人が12歳の子供の頃からずっと想い続けて、最後に結ばれる流れなのかなと思ってたけど、葵だけでなく漣も他の女性と恋に落ちて結婚もして子供も生まれてという人生を過ごしているわけです。 結ばれるかなと思ってたけど、結ばれない。 色んな時代を駆け足で描かれてるんやけど、葵も東京やったり沖縄やったりシンガポールやったりと色んな場所で色んな人と出会っては離れてを繰り返してるんですよね。 漣とは結局は結ばれないのかな? この作品は平成時代を駆け足で巡っていったのですが、自分がもし10年若くて、漣や葵と同じくらいの歳やったらもっと違った感想にもなってたかも。 もっと感情移入が出来たような気がしました。 平成の終わりとともに漣と葵はついに、、 昔みた映画の「ハナミズキ」に内容が似ているような気がしました。 ということで映画化もされるみたいてすが、映画は見なくていいかな。

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