清水草一 デミオ。 【清水草一試乗記】このクルマ、乗ればわかるさ!! スズキ スイフトスポーツ&マツダ デミオ編(1/2)

デザインはマセラティ・グラントゥーリズモといい勝負!?

清水草一 デミオ

話題のディーゼル、安いか、高いか? 新型デミオについて語るなら、まずその値付けから入らねばなるまい。 焦点はガソリン車とディーゼル車の価格差だ。 ・デミオXD(ディーゼル):178万2000円(MT、ATとも) ・デミオ13C(ガソリン):135万円(MT、ATとも) 差は43万2000円。 これは一見、かなり大きい。 ただ、XDだけを見ると、「アクア」や「フィットハイブリッド」とほぼ同水準で、クリーンディーゼルがハイブリッドと同格のエコカーと捉えられている国内市場ではちょうどいい。 燃料代を比較しても、リッター20円ほど安い軽油の強みを生かせば、デミオのディーゼルとアクア/フィットハイブリッドは同レベル。 街中での快適性(特に静粛性)では負けるが、加速はディーゼルの方がはるかに力強い。 あとは日常志向かロングドライブ志向かで選べばいいわけで、この価格に抵抗感はない。 が、ディーゼル乗用車の販売比率が約5割という本場・ヨーロッパ市場では、ユーロ5規制の段階では、「ディーゼル車の価格はガソリン車の約1割高」が相場だった。 それを考えると、デミオXDの値付けはかなり高い。 ここ日本でも、43万2000円という価格差は決して小さくはない。 JC08モード燃費はガソリン24. クリーンディーゼル対象のエコカー補助金を勘案しても、価格差を燃料代で取り返すのはほぼ不可能だ。 デミオの初期受注の7割がディーゼルというのは、国内初の小排気量ディーゼルへの興味や、ディーゼルならではの力強い加速というメリットを重視してのものだろう。 例えば「ゴルフTDI」のユーロ6対応モデル(1. 6リッター)は、1. 2リッターガソリンターボモデルより現状約70万円も高い。 ユーロ5車なら+30万円程度なので、ユーロ6の影響は大きい。 やはりマツダのSKYACTIV-Dは、排ガス後処理がいらない分、コスト上のアドバンテージを持っていると考えていいのだろう。 それでもXDは安くない。 なにしろガソリン車とは40万円以上違うのだから。 ということで今回は、日陰の存在ながら、経済性最優先ならこれ! のガソリンモデル、デミオ13Sをテストした。 思い起こせばSKYACTIV-Gは、「ダウンサイジングターボいらず」がコンセプトの先進ガソリンエンジンだ。 それが、SKYACTIV-Dの登場以来すっかり影が薄くなり、新型「アテンザ」「アクセラ」「デミオ」では、完全に廉価モデル扱いになってしまった。 技術者は泣いているかもしれない。 が、ユーザーの立場からすると致し方なし。 SKYACTIV-Gは、確かに燃費はそこそこいいが、突出した部分がない。 結局メリットは価格の安さというんじゃ、昔ながらの「国産車のウリは安さと信頼性」の域を出ないことになる。 クラスを超えたよさがある しかしデミオ13Sは、「ヴィッツ」や「マーチ」とはかなり違う。 それは間違いない。 後席足元はあまり広くない。 ラゲッジ容量はフツーだが、開口部が狭く使い勝手が悪い。 ドイツ車的なボディー剛性優先思想を感じる。 これが第1点。 インテリアの質感は断然イイ。 これはもう断然だ。 なにしろ同じマツダのアテンザより高級感がある。 アテンザなにやってんだ、ということだが、デミオのインテリアは「フォルクスワーゲン・ゴルフ」あたりともいい勝負になる。 これが第2点。 3 SKYACTIV-Gも悪くない。 この排気量としてはトルクフルで回転フィールも滑らか。 中速域での回転感にはかすかな快感も伴う。 が、それでも最大トルクはディーゼルの2分の1。 加速はまるで違う。 なのでついディーゼルと比較してしまい、ヴィッツやマーチの親戚扱いになってしまう面はある。 それでもやっぱりデミオは別格だ。 なにしろATが違う。 SKYACTIV 6ATを採用しているのだ。 これはデカイ。 このクラスでトルコンATを採用している国産車はデミオくらい。 他はほとんどが退屈なCVTだ。 いや、CVTが退屈かどうかは個人の嗜好(しこう)の問題ですが、エンジンとアクセルのダイレクト感に関しては、誰がなんと言おうと無段変速より段付きミッションの方が上。 デミオでは、昔ながらの回転の上昇や下降がリニアに楽しめる。 しかも6段。 立派なものじゃないか。 これだけでもクルマ好きには大きなアドバンテージだ。 トルコンは耐久性ならツインクラッチより上だし、5段MTもあるでよ。 これが第3点。 しかもデミオは、高いボディー剛性を生かして、サスペンションのふところが深い。 ストロークが大きくてしなやかだ。 完全にヨーロッパレベルである。 ここにステキなインテリアと、高級車気分の6ATが加われば、心臓であるSKYACTIV-Gのインパクトが多少弱くても、コンパクトカーとしては「ヴィッツやマーチと一緒にするな!」くらいは言えよう。 少し速度を上げると、路面の凹凸を拾ってピッチングが止まらなくなり、「ガタガタッ」と安っぽい走行フィールになった。 タイヤ空気圧がパンパンなのかと思ったら適正値。 うーむ。 ディーゼルではこんなことはなかった。 タイヤ銘柄の違いやノーズの軽さも影響しているかもしれないが、これは恐らく超初期ロットにありがちな個体差、いわゆる「ハズレ」ではないか? 裏付けなく勘で申し上げるのは申し訳ないが、取りあえず今回は、近年の経験値から、「超初期ロットのハズレ個体」と推定しておく。 実はアクアの登場時も、プレス試乗会では乗り心地もパワーユニットのフィールもダメダメで、2カ月後に自分のクルマが納車された時、あまりにも良くなっていてがくぜんとした。 昔はよく「広報チューン」なんて言いましたが、最近けっこう逆チューン(?)が多くて迷います。 一方、街中に走りの舞台を移すと、がぜんデミオ13Sの存在感が増した。 やっぱりこれは街中向けなんですね。 なにしろディーゼルとは鼻先の軽さが違う。 クイクイと軽やかに、お気楽に走ってくれる。 アイドリングでの騒音や振動だって違う。 いかにSKYACTIV-Dが静かだといっても、ガソリンエンジンにはかなわない。 デミオには全車アイドリングストップが付いているので、ディーゼルだって信号待ちでは無音だが、ブレーキを離した瞬間に重いものがゴゴッと回り始める感覚は、そこらのお買い物のゲタとしてはちょっと気が重いというか、もったいない。 ガソリン車ならそれがない。 まさに街のゲタ。 注意していると、交差点右折での立ち上がり緩加速時に、圧縮比12のトルクがさく裂(?)して背中を押され、一瞬だけダウンサイジングターボ気分を味わえたりする。 ミラーサイクルのSKYACTIV-Gは、実際の圧縮比はこんなに高くならないが、それでもそれくらい圧縮がかかるタイミングはあるらしく、それを探しながら走るなんていう、変態的な楽しみもなくはないです。 6km 使用燃料:17. 5リッター 参考燃費:15.

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【清水草一試乗記】このクルマ、乗ればわかるさ!! スズキ スイフトスポーツ&マツダ デミオ編(1/2)

清水草一 デミオ

話題のディーゼル、安いか、高いか? 新型デミオについて語るなら、まずその値付けから入らねばなるまい。 焦点はガソリン車とディーゼル車の価格差だ。 ・デミオXD(ディーゼル):178万2000円(MT、ATとも) ・デミオ13C(ガソリン):135万円(MT、ATとも) 差は43万2000円。 これは一見、かなり大きい。 ただ、XDだけを見ると、「アクア」や「フィットハイブリッド」とほぼ同水準で、クリーンディーゼルがハイブリッドと同格のエコカーと捉えられている国内市場ではちょうどいい。 燃料代を比較しても、リッター20円ほど安い軽油の強みを生かせば、デミオのディーゼルとアクア/フィットハイブリッドは同レベル。 街中での快適性(特に静粛性)では負けるが、加速はディーゼルの方がはるかに力強い。 あとは日常志向かロングドライブ志向かで選べばいいわけで、この価格に抵抗感はない。 が、ディーゼル乗用車の販売比率が約5割という本場・ヨーロッパ市場では、ユーロ5規制の段階では、「ディーゼル車の価格はガソリン車の約1割高」が相場だった。 それを考えると、デミオXDの値付けはかなり高い。 ここ日本でも、43万2000円という価格差は決して小さくはない。 JC08モード燃費はガソリン24. クリーンディーゼル対象のエコカー補助金を勘案しても、価格差を燃料代で取り返すのはほぼ不可能だ。 デミオの初期受注の7割がディーゼルというのは、国内初の小排気量ディーゼルへの興味や、ディーゼルならではの力強い加速というメリットを重視してのものだろう。 例えば「ゴルフTDI」のユーロ6対応モデル(1. 6リッター)は、1. 2リッターガソリンターボモデルより現状約70万円も高い。 ユーロ5車なら+30万円程度なので、ユーロ6の影響は大きい。 やはりマツダのSKYACTIV-Dは、排ガス後処理がいらない分、コスト上のアドバンテージを持っていると考えていいのだろう。 それでもXDは安くない。 なにしろガソリン車とは40万円以上違うのだから。 ということで今回は、日陰の存在ながら、経済性最優先ならこれ! のガソリンモデル、デミオ13Sをテストした。 思い起こせばSKYACTIV-Gは、「ダウンサイジングターボいらず」がコンセプトの先進ガソリンエンジンだ。 それが、SKYACTIV-Dの登場以来すっかり影が薄くなり、新型「アテンザ」「アクセラ」「デミオ」では、完全に廉価モデル扱いになってしまった。 技術者は泣いているかもしれない。 が、ユーザーの立場からすると致し方なし。 SKYACTIV-Gは、確かに燃費はそこそこいいが、突出した部分がない。 結局メリットは価格の安さというんじゃ、昔ながらの「国産車のウリは安さと信頼性」の域を出ないことになる。 クラスを超えたよさがある しかしデミオ13Sは、「ヴィッツ」や「マーチ」とはかなり違う。 それは間違いない。 後席足元はあまり広くない。 ラゲッジ容量はフツーだが、開口部が狭く使い勝手が悪い。 ドイツ車的なボディー剛性優先思想を感じる。 これが第1点。 インテリアの質感は断然イイ。 これはもう断然だ。 なにしろ同じマツダのアテンザより高級感がある。 アテンザなにやってんだ、ということだが、デミオのインテリアは「フォルクスワーゲン・ゴルフ」あたりともいい勝負になる。 これが第2点。 3 SKYACTIV-Gも悪くない。 この排気量としてはトルクフルで回転フィールも滑らか。 中速域での回転感にはかすかな快感も伴う。 が、それでも最大トルクはディーゼルの2分の1。 加速はまるで違う。 なのでついディーゼルと比較してしまい、ヴィッツやマーチの親戚扱いになってしまう面はある。 それでもやっぱりデミオは別格だ。 なにしろATが違う。 SKYACTIV 6ATを採用しているのだ。 これはデカイ。 このクラスでトルコンATを採用している国産車はデミオくらい。 他はほとんどが退屈なCVTだ。 いや、CVTが退屈かどうかは個人の嗜好(しこう)の問題ですが、エンジンとアクセルのダイレクト感に関しては、誰がなんと言おうと無段変速より段付きミッションの方が上。 デミオでは、昔ながらの回転の上昇や下降がリニアに楽しめる。 しかも6段。 立派なものじゃないか。 これだけでもクルマ好きには大きなアドバンテージだ。 トルコンは耐久性ならツインクラッチより上だし、5段MTもあるでよ。 これが第3点。 しかもデミオは、高いボディー剛性を生かして、サスペンションのふところが深い。 ストロークが大きくてしなやかだ。 完全にヨーロッパレベルである。 ここにステキなインテリアと、高級車気分の6ATが加われば、心臓であるSKYACTIV-Gのインパクトが多少弱くても、コンパクトカーとしては「ヴィッツやマーチと一緒にするな!」くらいは言えよう。 少し速度を上げると、路面の凹凸を拾ってピッチングが止まらなくなり、「ガタガタッ」と安っぽい走行フィールになった。 タイヤ空気圧がパンパンなのかと思ったら適正値。 うーむ。 ディーゼルではこんなことはなかった。 タイヤ銘柄の違いやノーズの軽さも影響しているかもしれないが、これは恐らく超初期ロットにありがちな個体差、いわゆる「ハズレ」ではないか? 裏付けなく勘で申し上げるのは申し訳ないが、取りあえず今回は、近年の経験値から、「超初期ロットのハズレ個体」と推定しておく。 実はアクアの登場時も、プレス試乗会では乗り心地もパワーユニットのフィールもダメダメで、2カ月後に自分のクルマが納車された時、あまりにも良くなっていてがくぜんとした。 昔はよく「広報チューン」なんて言いましたが、最近けっこう逆チューン(?)が多くて迷います。 一方、街中に走りの舞台を移すと、がぜんデミオ13Sの存在感が増した。 やっぱりこれは街中向けなんですね。 なにしろディーゼルとは鼻先の軽さが違う。 クイクイと軽やかに、お気楽に走ってくれる。 アイドリングでの騒音や振動だって違う。 いかにSKYACTIV-Dが静かだといっても、ガソリンエンジンにはかなわない。 デミオには全車アイドリングストップが付いているので、ディーゼルだって信号待ちでは無音だが、ブレーキを離した瞬間に重いものがゴゴッと回り始める感覚は、そこらのお買い物のゲタとしてはちょっと気が重いというか、もったいない。 ガソリン車ならそれがない。 まさに街のゲタ。 注意していると、交差点右折での立ち上がり緩加速時に、圧縮比12のトルクがさく裂(?)して背中を押され、一瞬だけダウンサイジングターボ気分を味わえたりする。 ミラーサイクルのSKYACTIV-Gは、実際の圧縮比はこんなに高くならないが、それでもそれくらい圧縮がかかるタイミングはあるらしく、それを探しながら走るなんていう、変態的な楽しみもなくはないです。 6km 使用燃料:17. 5リッター 参考燃費:15.

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清水草一

清水草一 デミオ

クルマに乗られてきた方なら、誰しも「忘れられない1台」があるかも知れない。 手前味噌ながら、企画担当にとってそれは2代目マーチになる。 とくに手を入れたわけでもないし、パフォーマンスの良い悪いなんてさっぱりわかっていなかったが、生活のよき相棒だったのだ。 で、ベストカーWebに訪れていただいている方々にはおなじみの、4人の自動車評論家。 文字通り浴びるほどの種類のクルマに乗ってきた4氏に、「もう一度乗りたい! 忘れられないコンパクトカー」を聞いてみた。 3Lエンジンと後輪駆動を組み合わせた。 軽くて前後輪の重量配分も優れ、運転感覚は今のマツダ車以上に人馬一体、手足のように操れた。 危険を避ける時でもコントロールを失いにくく、衝突安全性や安全装備の充実度はゼロでも、常に安心して運転できたコンパクトだ。 今のクルマが退屈に感じたり、若者が離れる理由もさまざまだが、あの一体感が得にくくなったことも背景にあるだろう。 付加価値は皆無でも、運転する実感は濃厚。 もう一度乗りたいね。 あんなクルマを今のBセグで作ってくれたら、即座にフォードフィエスタやプジョー208のようなラリー4クラスの車両に仕立てて、WRCに出たのに。 ちなみに実車のスーパーターボに乗ったことあるけれど、パワステないためメチャクチャハンドル回すのが重いほか、楽しい楽しいクルマだった。 特にアクセル踏むと間髪入れずスーパーチャージャー効いてトルク出る! とうてい1000ccと思えないほど、パワフルでしたね! 個性的なデザイン、炸裂するパワー、クセのある操縦性。 今乗っても楽しいと思える1台だ。 でもそれよりももう一度乗りたいのが、KP61型スターレット。 素のスターレットも魅力的だったが、ボクがもう一度乗りたいのはノーマル車ではなく、スターレットノーマルカップレースという当時行われていたナンバー付きのレース仕様車。 実はこの仕様のクルマを持っていたレースにも何度か出場したことがある。 ボクの原点的なクルマの一台。 (TEXT/清水草一) グレードまでかなり限定で指名させていただきます。 先代デミオ前期型の、1. 3じゃなきゃダメ。 5はバツ。 フロントが軽くないとダメなの。 それで5MT。 このクルマ、最初に乗った時はロータスエリーゼかと思ったくらい操縦性が感動的だった。 アクセルオフだけで曲がれるんじゃないかってくらいスポーティだったんだよ! デザインも最高だったし、本当にほれ込みました。 といってもこのデミオは買ってないんで、今でも本気で乗りたいと思っている。 改めて日本のコンパクトカーには個性溢れる、魅力的なモデルが数多あることがわかる。 今後登場する国産コンパクトカーにも期待したい。

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