袴垂、保昌にあふこと現代語訳。 『宇治拾遺物語』「袴垂、保昌にあふこと」現代語訳と予想問題、解説

平安時代最凶の盗賊、袴垂(はかまだれ)

袴垂、保昌にあふこと現代語訳

昔、袴垂といって並はずれた盗賊の 頭 かしら がいた。 」と思ひて、 「ああ、この人こそ、自分に着物を得させようとして、出てきた人であるようだ。 」と思って、 走りかかりて衣を 剥 は がんと思ふに、あやしく物のおそろしくおぼえければ、添ひて二 、 三町ばかり行けども、 走りかかって着物をはぎ取ろうと思うが、不思議になんとなく恐ろしく感じられたので、あとについて二三町ほど行くが、 我に人こそつきたれと思ひたるけしきなし。 自分に人がついてきていると思っている様子もない。 いよいよ笛を吹きて行けば、試みんと思ひて、足を高くして走り寄りたるに、 ますます笛を吹いて行くので、試してみようと思って、足音を高くして走り寄ったところ、 笛を吹きながら見返りたるけしき、取りかかるべくもおぼえざりければ、走り退きぬ。 笛を吹きながら振り返った様子は、襲いかかることができそうにも思えなかったので、走り退いてしまった。 (2) かやうに、あまたたびとざまかうざまにするに、つゆばかりも騒ぎたるけしきなし。 このように、何度もあれやこれやとするが、少しもあわてる様子がない。 希有 けう の人かなと思ひて、十余町ばかり具して行く。 珍しい人であるなあと(袴垂は)思って、十町あまりほど後をつけて行く。 さりとてあらんやはと思ひて、刀を抜きて走りかかりたる時に、 そうかといってこのままでいられようかと思って、刀を抜いて走りかかった時に、 そのたび笛を吹きやみて、立ち返りて、「こは、何者ぞ。 」と問ふに、心も失せて、我にもあらで、ついゐられぬ。 その時は笛を吹くのをやめて、振り返って、「お前は何者だ。 」と問うので、(袴垂は)呆然として、正気も失って、膝をついて座ってしまった。 また、「いかなる者ぞ。 」と問へば、今は逃ぐともよも逃がさじとおぼえければ、 また、「どういう者だ。 」と問うと、今は逃げようともよもや逃がしはするまいと思われたので、 「 引 ひ 剥 は ぎに候ふ。 」と言へば、「何者ぞ。 」と問へば、 「追いはぎでございます。 」と言うと、「何者だ。 」と問うので、 「 字 あざな 、 袴 はかま 垂 だれ となん言はれ候ふ。 」と答ふれば、 「通称は、袴垂と言われております。 」と答えると、 「さいふ者ありと聞くぞ。 あやふげに、 希有 けう のやつかな。 」と言ひて、 「そういう者がいると聞いているぞ。 物騒で、とんでもない奴だなあ。 」と言って、 「ともにまうで来。 」とばかり言ひかけて、また同じやうに笛吹きて行く。 「一緒について参れ。 」とだけ声をかけて、また同じように笛を吹いて行く。 この人のけしき、今は逃ぐともよも逃がさじとおぼえければ、 この人の様子は、今は逃げようともよもや逃がしはするまいと思われたので、 鬼に神取られたるやうにて、ともに行くほどに、家に行き着きぬ。 鬼に魂を取られたようになって、一緒に行くうちに、家に行き着いた。 いづこぞと思へば、摂津前司保昌といふ人なりけり。 どこかと思うと、摂津の前の国司であった 藤原保昌 ふじわらのやすまさ という人であった。 家のうちに呼び入れて、綿厚き衣一つを給はりて、「衣の用あらん時は、参りて申せ。 家の中に呼び入れて、綿の厚い着物一着をお与えになって、「着物が必要な時は、(ここに)参って申せ。 心も知らざらん人に取りかかりて、汝、あやまちすな。 」とありしこそ、あさましく、むくつけく、恐ろしかりしか。 気心も分からないような人に襲いかかって、おまえ、しくじるな。 」とあったのは、驚きあきれ、気味が悪く、恐ろしかった。 「いみじかりし人のありさまなり。 」と、 捕 と らへられて後、語りける。 「とても立派な人の様子であった。 」と、捕らえられた後、(袴垂は)語ったということだ。

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宇治拾遺物語『袴垂、保昌に会ふこと(袴垂と保昌 )』のわかりやすい現代語訳と解説 / 古文 by 走るメロス

袴垂、保昌にあふこと現代語訳

一〇 (二八) 袴垂保昌に逢ふ事 現代語訳• 昔、袴垂という、たいそうな盗賊の首領がいた• 十月頃、衣が欲しくなったので、衣を少し手に入れようとめぼしい所々を物色していると、夜中時分、人々がすっかり寝静まった頃、朧月夜の下を、衣をたくさん着込んだ男が、指貫の股立ちをつかみ、絹の狩衣のようなものを着て、ただひとり、笛を吹き、行き過ぎるでもなく、おもむろに歩いているので• ああ、これこそ、おれに衣をくれようと出てきた人だな• と思い、走りかかり• 衣を剥ごう• と思ったが、なんだか妙に恐ろしく思えたため、寄り添って、二、三町ほど行ったものの、誰かがつけて来ていると感づく気配もない• いよいよ笛を吹きながら行くので• 試してみよう• と思い、高い足音を立てて駆け寄ったが、笛を吹きながら振り向いたときの様子は襲いかかれそうにもなかったので、走り退いた• このように、何度もあれこれしてみるが、少しも騒ぐ気配がない• 稀有な人だ• と思いつつ、十町余りついて行った• だがやってみるか• と思い、刀を抜き、走りかかった時、今度は、笛を吹き止め、立ち止まって振り返り• おまえは、何者だ• と訊いたとき、気力が失せ、我をも失い、立っていられなくなった• 何者だ• と訊いたときは• 今度は逃げてももう逃がすまい• という気配が感じられたので• 追いはぎに候• と言うと• 何者だ• と訊くので• またの名を、袴垂と人は呼ぶ• と答えると• そういう者がいると聞いてはいる• 危なっかしい変わり者め• と言って• 一緒に、ついて来い• とだけ言いかけ、また同じように笛を吹いて行った• この人の様子から、今は逃げても、決して逃がすまい• と感じられたので、鬼に魂を奪われたように、ついて行くと、屋敷に着いた• ここはどこだ• と思えば、摂津の前司・藤原保昌という人の屋敷であった• 家の中に呼び入れられ、厚手の綿入れを一着与えられ• 衣が欲しくなったときは、ここへ来て申せ• 気心も知れぬ者に捕まるなど、おまえ、しくじるでないぞ• と言われたときは、言葉にならず、気味が悪く、おそろしかった• 凄い雰囲気の人であった• と、捕らえられて後に語った• 公開日 平成二十四年二月十六日 更新日 平成二十四年二月十六日.

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袴垂、保昌に会ふこと(「宇治拾遺物語」) 問題

袴垂、保昌にあふこと現代語訳

新学期を迎えた皆さんこんにちは!ゴールデンウィークですね!! リクエストにお応えします。 〈本文〉 昔、袴垂(はかまだれ)とていみじき盗人の大将軍ありけり。 十月ばかりにきぬの用ありければ、衣(きぬ)すこしまうけんとて、さるべき所々うかがひありきケルに、夜中ばかりに、人みなしづまりはててのち、月の朧(おぼろ)なるに、きぬあまたきたりけるぬしの、指貫(さしぬき)のそばはさみて、きぬの狩衣(かりぎぬ)めきたるきて、ただひとり笛吹きて、ゆきもやらず、ねりゆけば、「あはれ、これこそ、我にきぬえさせんとて、出でたる人なめれ」と思ひて、走りかかりて衣をはがんと思ふに、あやしく物のおそろしく覚えければ、そひて二、三町ばかりいけども、我に人こそ付きたれと思ひたるけしきもなし。 いよいよ笛を吹きていけば、心みんと思ひて、足をたかくして走りよりたるに、笛を吹きながら見かへりたる気しき、取りかかるべくもおぼえざりければ走りのきぬ。 かやうにあまたたび、とざまかうざまにするに、露ばかりもさわぎたるけしきなし。 「稀有(けう)の人かな」と思ひて、十餘(よ)町ばかりぐして行く。 「さりとてあらんやは」と思ひて、刀をぬきて 〈juppo〉久しぶりに宇治拾遺物語です。 今回はネットでテキストを探すことなく、手元にあった角川文庫ソフィア『宇治拾遺物語』を参考にしました。 これです。 訳は載っていませんが、なんとなくで読めます。 今回は漫画にするのでいろいろ調べて訳しましたが。 袴垂という盗賊は、「袴垂保輔」とされることもあるそうですが、文庫の注釈には「別人」だとあります。 保輔はここに登場する保昌の弟だそうです。 保昌はまだ名乗られてないですね。 でもタイトルにあるので、当然この笛を吹いてる人が保昌ですよね。 「指貫のそば」を「指貫の股立」と訳してありますが、「股立って何さ」と思いながら訳してました。 袴に詳しい人なら現代でも常識な言葉なのかもしれません。 袴の腰の、脇のすき間が空いた部分のことなんですね。 そこを帯に挟んで裾を上げているということらしいです。 なぜそんなことをしているのかは、ナゾです。 多分歩きやすくするためでしょう。 夜道なので。 夜道を笛を吹きながら歩いている理由もナゾなんですよね。 風流な人はただ帰宅するのにも楽器を奏でながら歩いたんでしょうか。 今でいう鼻歌くらいな感じで。 そうやってゆるゆる歩いているだけなのに、襲おうとしても襲えない、身にまとう物のおそろしさがあるというんですね。 その、おいそれと手が出せない雰囲気が漫画に描ききれているとは到底思えないのですが、とてもそう思えないのに手が出せない恐ろしさ、なんてものがあるのだろうなと思ってください。 とは言え、このままただついて行くだけでは、と意を決した袴垂であります。 続きます。 そんなわけでゴールデンウィークに突入しましたね。 最近、平日が人並みに忙しいので、休みになったらあれこれしようと思いつつ、休みになると何にもしたくない症状に陥りそうです。 夕方の「カーネーション」の再放送を見ているうちに、沸々とミシン踏みたい気持ちにもなってくるのですけど。

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