艦これ 鬱 ss。 【艦これSS】提督「敵の襲撃ついでに俺が死んだことにする?」【長門】

提督「私が戦死したドッキリ」

艦これ 鬱 ss

海軍に籍を置いて十年。 教育隊に所属していた頃が随分遠く感じる、今と比較すれば実に地獄の様な生活だった。 提督は良い、鎮守に限った話ならば最高権力者だ。 扱かれる事も無く、廊下をわが物顔で歩いてもドヤされない。 先輩に敬意を払う必要も理不尽な怒声も無い、パラダイスだ。 八キロ遠泳などもしなくて済む、元々私は泳ぎが得意ではなかったから。 提督「……海域の確保も順調だ、海坊主の連中も戦力が整っていないと見える」 地図に引かれた赤線、それは現在確保されている海域分布。 他鎮守府と合同で巡回船を出し物資搬入ルートを確保していた。 一昔前は艦娘に同行させる補給船の数が足りず難儀したものだが、今や私の階級は中佐。 年齢としては三十を迎えたばかりで若すぎるとの声もあるが、多少の高跳びは仕方あるまい。 どうせ戦時下階級という奴だ、この肩書に見合うだけの権力が付随しているかどうかと聞かれれば疑問が残る。 ましてや民間人に少尉などという肩書を押し付け運営させている場所もあるのだ、現状の海軍の人員不足は見るに堪えない。 いや、海軍と言うより艦娘提督という特殊な役職に限った話か。 提督「馬鹿馬鹿しい話だ」 軍の「ぐ」の字も知らぬ民間人に指揮をさせるなど、愚かにも程がある。 文民は我々軍人が守るべき存在であって、安易に銃を持たせて良い存在ではない。 ましてや本当の戦場を知るのなら尚更。 連日連夜、続く勝利。 海域を押し込む程連中は強くなっていくが、最近では【質より量】の戦法で高練度艦隊を同海域に集中させ一方的に火砲を浴びせている。 戦力の分散は愚策だ、戦力があるのなら全て集中させる方が良い。 無論、最低限の防衛隊は残して。 勝利に沸き立ち士気を高めるのは構わない、しかし「楽勝」と敵を侮って慢心するのは頂けない。 勝って兜の緒を締めよ、までは言わない。 しかし浮かれた気分で戦場に出られても困る。 勝つのは当然だ、そういう『教育』を私は大学で受けて来た。 十全な装備、十分な弾薬燃料、そして考え抜かれた策に万が一の予備隊。 艤装を積んだ補給船も手配し大規模作戦ならば工作艦も同行させる。 これだけ用意して敗北するなどあり得ない、そう在れと生まれたのが彼女達で、それを扱う己は彼女たち以上に努力している。 勝利は当然と言えた。 しかし精神的な隙は必ず【敗北】を生む。 ならばそう、此処は一つ。 冷や水を浴びせ、気を引き締めさせる必要があるなと、私はそう考えた。 龍田「ぁ」 水面に揺蕩う白帽、僅かに煤けたソレが龍田の足元にコツンと当たる。 呆然と燃え盛る小型船を見つめながら、龍田はただ動けずにいた。 龍田「あ、あ、て……ぁ、て、提督」 龍田「うそ、何で、何で上から砲撃が……」 得物を取り落とし、手を伸ばすが轟々と炎が燃え盛るばかり。 迫撃砲は小型船のど真ん中に直撃し、内部を貫いて炸裂した。 提督諸共爆発し、砕け散った残骸が海を漂う。 船が爆発した、中に在ったものは海に全て投げ出されている。 龍田は呆然としながらも一歩、一歩と燃え盛る船に近寄る。 けれどその光景が近付く度、足が鈍る。 龍田「大丈夫、大丈夫よ」 龍田「まだ、まだ生きているかもしれない、提督なら、きっと……だから、早く、早く助けないと」 龍田「はやく、はやく」 龍田「助けないと」 龍田「助けないといけないから……!」 龍田「だから……」 龍田「ねぇ、動いてよ……動いて」 龍田「動きなさいよ! 動いてよッ、私の足……ッ!」 足が動かない。 プルプルと震えて、これ以上前に進めない。 動かそうとしても微動だにせず、結局その場にぺたんと座り込んでしまった。 下手をすると沈んでしまいそうだった。 龍田「ぁ、あぁ……あぁぁ……」ポロポロ 龍田「なんでぇ、なんでよぉ……」ポロポロ 龍田「何で動かないのよ……ぉ!」ポロポロ 龍田「提督が、ていとくが、しんじゃうのにぃッ……!」ポロポロ 龍田「あぁぁぁああぁッ! 提督ぅ、ていとくぅぅうッ……!」ポロポロ 瞼の裏に浮かぶ、爆発の瞬間。 生きている筈が無かった、あれ程の爆炎と衝撃を間近にして。 本当は分かっていた。 龍田「あ、ぁ……あぁぁ………」 海上に伏せ、這い蹲って涙を零す龍田。 水面に散った想い人、彼を想って慟哭する。 提督「………何か思ったよりガチ泣きなんですけど、ヤバくない?」 憲兵「だから私はやめた方が良いとあれ程……」 憲兵A「ネタ晴らししたら死ぬんじゃないですか中佐」 提督「ははは、まさか、ははは、ハハ………ないよね?」 憲兵「遺書のご用意は済ませておいた方が賢明です」 提督「ウソダドンドコドーン!」 憲兵A「これだから海 ry」 長門「艦隊編成急げ! 戦艦だろうが空母だろうが関係ない! 出られる奴はさっさと海域に向かえッ!」 吹雪「だ、第四艦隊出撃します!」 赤城「一航戦、出ます!」 大淀「明石さん、貴女も!」 明石「わ、分かってます! 私の艤装、えぇっと……!」 提督が沈んだ。 その報は鎮守府に凄まじい動揺を齎し、所属艦娘全員による緊急捜索が即時決行された。 提督が死亡した恐れがある。 龍田「………」 彼の死を目撃した龍田だった。 天龍「……お、おい、龍田」 龍田「……ぁ、天龍ちゃん……」 天龍「お前、大丈夫かよ……」 龍田「…………」 龍田「ん、大丈夫……大丈夫よ……」 天龍「ちっとも大丈夫に見えねぇよ……」 目は虚ろ、元々白かった肌は蒼褪め、その体は酷く冷たい。 そんな惨状に他の艦娘は彼女を責めるどころか、会話する事すら躊躇われた。 まるで次の瞬間には消えてしまいそうな、そんな危うさを秘めている。

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【艦これSS】提督「敵の襲撃ついでに俺が死んだことにする?」【長門】

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注・衝撃的かつ精神的にキツイ表現・グロ描写があります。 苦手な方はご注意ください。 潮の一人称は、提督の前では潮、それ以外ではあたし又は私なので、陽炎抜錨や水雷クロニクルで採用されている私に統一してあります。 潮「……遠征完了の報告……早く提出して、曙ちゃんたちと外出……」タッタッ… 潮「うふふっ、何しよう。 顔色が土気色で……」むぎゅっ 提督「うぉぇっ」ゲロゲロゲロ 潮「提督!」 提督「動かないでくれっ!」 潮「……はい」しゅん 提督「すまない……。 その、だ……わ、私は今非常に深刻な病気に侵されているんだ……」 潮「そんな……それなら早く部屋に……」ゆっさゆっさ 提督「うぉぉぅええぇぇ!」ゲロゲロ 潮「提督!誰か!来てぇ!」 雷「……司令官!生きてる!?」 電「司令官さん!お薬が来たのです!」 潮「雷ちゃん!電ちゃん!提督が……急に……」 雷「ひどい……こんなに症状が出たのは久しぶりだわ!」 電「いったい何があったのです!?」 潮「分からないの……。 助かったよ、雷、電。 本当にありがとう」 潮「そ、その……だいじょうぶ……なんですか?」 提督「…………大丈夫、とは言い難いだろうね……」ふらっ 雷・電「司令官(さん)!」 提督「……君たちに黙っていたのは本当に悪かった……」 提督「私は子どもの頃、振り向いた母に喰らったおっぱいビンタで首の骨を折りかけてね……危うく死にかけたのさ……」 潮「そんなことが……」 提督「それ以降、私は巨乳という物が恐怖の対象でしかなくてね……。 これでも少しは良くなったんだが……触れてしまうとどうしても……うっ」 潮「提督……そんな……ことが……」 雷「さあ、掴まって、司令官」 提督「ああ、ありがとう」つるん 雷「ふぁん!そ、そっちじゃないわよぉ」 提督「くっ……すまない、体がひんぬーを求めているんだ……」 電「すぐに龍驤さんを呼んでくるのです」てってってっ 提督「そんなわけだ、潮。 決して君が悪いわけではなく、ましてや君に問題があるわけではない。 傷つけてしまって、本当に悪かった」 雷「司令官……ゆっくりでいいわ。 さあ、行きましょう」 提督「しかし雷、私が嘔吐した物を……」 雷「そんなの私が後でやって……」 潮「それは私がやります!」 提督「いや、そんなことまでさせるわけには……」 潮「提督がこうなった原因に、私も関わってしまっています。 なら、少しでもその責任を果たしたいんです」むにゅっ 提督「うっ……」ぐらり 雷「司令官!」 提督「……ふぅ……。 分かったよ、潮。 本当に、ありがとう。 ……今回は、甘えさせてもらうよ」 潮「はいっ!」 雷「じゃあ、潮。 ここは任せたわ。 さあ、司令官……」 提督「……いつも……迷惑をかける……」ふらふら 潮「……提督……。 私にもなにか……」 潮「失礼します」ガチャリ 提督「どうし……な! ?」 潮「提督、私、どうしても提督のお役に立ちたいんです」 提督「いや……な……?それ……?」 潮「これは……私の覚悟です」 提督「潮……なのか?」 潮「はい」 提督「いやでも……その……その胸……」 潮「提督のご病気は理解しています。 その原因を持つ私が提督をお助けしようとしたら…これしかないと思ったんです」ぺたーん 提督「サラシ……か?」 潮「はい。 少々キツイですが、提督の苦しみに比べればこのくらい」ミシミシ 提督「そう……か……」 提督 雷、電、そして潮。 なんと良い部下に恵まれたのだ、私は…… 提督「ありがとう。 」カハァァッ 雷「いい?司令官。 おっぱいっていうのはただの筋肉の塊なの」 提督「筋肉?脂肪じゃないのか?」 雷「もちろん脂肪も入っているわ。 でも、おっぱいはそのほとんどを、乳腺と筋肉が占めているの。 脂肪は皮下脂肪程度でしかないわ」 提督「へー」 雷「だから、そこに司令官のトラウマを払拭するための希望があると思うのよ!」 提督「なるほど。 準備万端なのです」 潮「え?えっと……あの?あれ?」 電「早く来るのです、潮ちゃん」 潮「え?でも?これ?え?ええぇぇぇ!?」GO!GO!まっすうー! 提督「なるほど、素晴らしい!」 雷「でしょ!この筋肉服を着た潮が平気になれば、きっと他の巨乳もただの筋肉に見えるようになる。 そうすれば……」 提督「私のトラウマも治る!」 潮「そ、そう……なんですか?」 電「でも、巨乳な潮ちゃんを見ても平気なのです!」 潮「それって筋肉服で完全に隠れてるからじゃあ……」 提督「うん、イケルイケル!このまま克服してしまうまである!さすが雷!」 雷「うふふ、もっと私を頼っていいのよ!」 雷「じゃあ、今度は……触ってみましょう!」 提督・潮『えええぇぇ!?』 電「勢いが大事なのです」 雷「そうね。 それに、一度大事だったら、きっと自信がついてもっと平気になるわ」 提督「そう……か……そう……だな……。 潮、頼めるか?」 潮「……て、提督が頑張ってらっしゃるのですから、私もご協力いたします!」 提督「ありがとう。 司令官さんには、これからおっぱいに似た物を触ってもらって、それで慣れてもらおうと思うのです」 提督「なるほど、感触は似ているが違う物で慣れようというわけか。 あれ?となると目隠しの意味は?」 電「それは……時折本物を混ぜるのです」 提督・雷『本物!?』 電「そうなのです。 そして、知らず知らずのうちに触ってしまった、なのに何も起こらなかったとすれば……きっとその事実は司令官さんの病気改善にきっと役立つはずなのです」 提督「なるほど……しかしそれは……言ってしまったらだめじゃないかい?」 電「はわわぁっ」 雷「大丈夫よ、私がついてるもの」 電「ありがとうなのです、雷ちゃん!」 提督「おいおい、雷。 少女特融の甘い香り。 頬に感じる肋骨の感触。 これはおっぱい……これはおっぱい」 電「柔らかくて……甘いにおい……今司令官さんは大きなおっぱいに顔を挟まれてるのです」 提督「ああ……挟まれて…………ってダメだ」 電「どうしたのですか?」 提督「これ……桃か?とにかくこれにはあるべきモノがない。 ほのかに潮の香りもした。 でもね、もっと致命的なモノが足りないんだ……」 雷「それはなんなの?」 提督「……乳首だ」 電「それは盲点だったのです」 雷「さすが提督ね!」 潮(…………ここは突っ込む所かな?) 提督「おっぱいを構成する要素は三つある。 乳房、乳輪、乳首の三つだ。 個人的にはここに胸骨も足したいが……まあ、これは今回はやめておこう。 その内の二つ。 特に一番のアクセントである乳首がない!これでおっぱいと言えるだろうか?否、言えない!反語!」 潮(提督って本当はおっぱいが大好きなんじゃないかな……?) 電「はうぅっ……電は……電は……おっぱいの何たるかを理解していなかったのです……」 雷「大丈夫よ、電。 こんな事もあろうかと、私も用意してあるわ!潮、例の物を!」 潮「は、はい!」ずるっ 電「はわわっ!四次元谷間なのです!」 雷「さあ、司令官!これならどうかしら!」ぷにょん 提督「こ、この柔らかさ……匂い……温度」 雷「どう?」 提督「うん、乳首も……ある」ちゅ~ 雷「このおっぱいに慣れれば、きっと本当のおっぱいも大丈夫になるわ」 提督「確かに……このおっぱいはよく出来ている……」 雷「でしょう!」 提督「だが、それだけだ!」 雷「どうして!?何がダメだっていうの?形はほぼ完璧、感触や匂いに少し違和感があるかもしれないけれど……」 提督「ああ、それは許容範囲だ。 少し塩味を効かせれば、さらに完璧だったろう。 おっぱいフィナーレ(商品名です。 詳しく知りたい方はググってね。 ただし18歳未満に限る)など足元にも及ばない性行……いや、精巧な代物だ」 雷「ならどうして!?」 提督「生命の躍動が足りないのだよ……」ふるふる 電「生命……はっ!まさか……」 提督「そう、おっぱいが付いているのは人間だ。 それ故に呼吸や鼓動がある。 発汗があり、感情がある。 おっぱいはそれらすべてを嘘偽りなく表現する……。 時に震え、時に波打ち……おっぱいは私に語り掛けてくる……。 それが……ない」 雷「そんな……それなら……」 電「どんなおっぱいを作っても……」 提督「ああ、偽乳は偽乳でしか……ないんだ」くっ 電「ガーンなのです……」 提督「すまない……」 潮「……提督」 潮「じゃあ、もうどうしようも……はっ」 潮「……提督。 一つだけ、思いついたことがあります。 それを試させてもらってもよろしいでしょうか?」 提督「……なんだ?」 潮「それは……言えません。 しかし、提督は辛いことになるでしょう……ですが……」 潮「提督」 提督「ああ」 潮「提督は私を信じていただけますか?」 提督「当たり前だ。 そして母のような安らぎを覚えさせる温かさに、蕩ける様な甘い匂い……。 生命の躍動が足りない、と先ほど提督はおっしゃいました。 vip2ch. vip2ch. vip2ch. メタ情報•

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胸糞・鬱 : なのです速報~艦これSSまとめ~(2)

艦これ 鬱 ss

海軍に籍を置いて十年。 教育隊に所属していた頃が随分遠く感じる、今と比較すれば実に地獄の様な生活だった。 提督は良い、鎮守に限った話ならば最高権力者だ。 扱かれる事も無く、廊下をわが物顔で歩いてもドヤされない。 先輩に敬意を払う必要も理不尽な怒声も無い、パラダイスだ。 八キロ遠泳などもしなくて済む、元々私は泳ぎが得意ではなかったから。 提督「……海域の確保も順調だ、海坊主の連中も戦力が整っていないと見える」 地図に引かれた赤線、それは現在確保されている海域分布。 他鎮守府と合同で巡回船を出し物資搬入ルートを確保していた。 一昔前は艦娘に同行させる補給船の数が足りず難儀したものだが、今や私の階級は中佐。 年齢としては三十を迎えたばかりで若すぎるとの声もあるが、多少の高跳びは仕方あるまい。 どうせ戦時下階級という奴だ、この肩書に見合うだけの権力が付随しているかどうかと聞かれれば疑問が残る。 ましてや民間人に少尉などという肩書を押し付け運営させている場所もあるのだ、現状の海軍の人員不足は見るに堪えない。 いや、海軍と言うより艦娘提督という特殊な役職に限った話か。 提督「馬鹿馬鹿しい話だ」 軍の「ぐ」の字も知らぬ民間人に指揮をさせるなど、愚かにも程がある。 文民は我々軍人が守るべき存在であって、安易に銃を持たせて良い存在ではない。 ましてや本当の戦場を知るのなら尚更。 連日連夜、続く勝利。 海域を押し込む程連中は強くなっていくが、最近では【質より量】の戦法で高練度艦隊を同海域に集中させ一方的に火砲を浴びせている。 戦力の分散は愚策だ、戦力があるのなら全て集中させる方が良い。 無論、最低限の防衛隊は残して。 勝利に沸き立ち士気を高めるのは構わない、しかし「楽勝」と敵を侮って慢心するのは頂けない。 勝って兜の緒を締めよ、までは言わない。 しかし浮かれた気分で戦場に出られても困る。 勝つのは当然だ、そういう『教育』を私は大学で受けて来た。 十全な装備、十分な弾薬燃料、そして考え抜かれた策に万が一の予備隊。 艤装を積んだ補給船も手配し大規模作戦ならば工作艦も同行させる。 これだけ用意して敗北するなどあり得ない、そう在れと生まれたのが彼女達で、それを扱う己は彼女たち以上に努力している。 勝利は当然と言えた。 しかし精神的な隙は必ず【敗北】を生む。 ならばそう、此処は一つ。 冷や水を浴びせ、気を引き締めさせる必要があるなと、私はそう考えた。 龍田「ぁ」 水面に揺蕩う白帽、僅かに煤けたソレが龍田の足元にコツンと当たる。 呆然と燃え盛る小型船を見つめながら、龍田はただ動けずにいた。 龍田「あ、あ、て……ぁ、て、提督」 龍田「うそ、何で、何で上から砲撃が……」 得物を取り落とし、手を伸ばすが轟々と炎が燃え盛るばかり。 迫撃砲は小型船のど真ん中に直撃し、内部を貫いて炸裂した。 提督諸共爆発し、砕け散った残骸が海を漂う。 船が爆発した、中に在ったものは海に全て投げ出されている。 龍田は呆然としながらも一歩、一歩と燃え盛る船に近寄る。 けれどその光景が近付く度、足が鈍る。 龍田「大丈夫、大丈夫よ」 龍田「まだ、まだ生きているかもしれない、提督なら、きっと……だから、早く、早く助けないと」 龍田「はやく、はやく」 龍田「助けないと」 龍田「助けないといけないから……!」 龍田「だから……」 龍田「ねぇ、動いてよ……動いて」 龍田「動きなさいよ! 動いてよッ、私の足……ッ!」 足が動かない。 プルプルと震えて、これ以上前に進めない。 動かそうとしても微動だにせず、結局その場にぺたんと座り込んでしまった。 下手をすると沈んでしまいそうだった。 龍田「ぁ、あぁ……あぁぁ……」ポロポロ 龍田「なんでぇ、なんでよぉ……」ポロポロ 龍田「何で動かないのよ……ぉ!」ポロポロ 龍田「提督が、ていとくが、しんじゃうのにぃッ……!」ポロポロ 龍田「あぁぁぁああぁッ! 提督ぅ、ていとくぅぅうッ……!」ポロポロ 瞼の裏に浮かぶ、爆発の瞬間。 生きている筈が無かった、あれ程の爆炎と衝撃を間近にして。 本当は分かっていた。 龍田「あ、ぁ……あぁぁ………」 海上に伏せ、這い蹲って涙を零す龍田。 水面に散った想い人、彼を想って慟哭する。 提督「………何か思ったよりガチ泣きなんですけど、ヤバくない?」 憲兵「だから私はやめた方が良いとあれ程……」 憲兵A「ネタ晴らししたら死ぬんじゃないですか中佐」 提督「ははは、まさか、ははは、ハハ………ないよね?」 憲兵「遺書のご用意は済ませておいた方が賢明です」 提督「ウソダドンドコドーン!」 憲兵A「これだから海 ry」 長門「艦隊編成急げ! 戦艦だろうが空母だろうが関係ない! 出られる奴はさっさと海域に向かえッ!」 吹雪「だ、第四艦隊出撃します!」 赤城「一航戦、出ます!」 大淀「明石さん、貴女も!」 明石「わ、分かってます! 私の艤装、えぇっと……!」 提督が沈んだ。 その報は鎮守府に凄まじい動揺を齎し、所属艦娘全員による緊急捜索が即時決行された。 提督が死亡した恐れがある。 龍田「………」 彼の死を目撃した龍田だった。 天龍「……お、おい、龍田」 龍田「……ぁ、天龍ちゃん……」 天龍「お前、大丈夫かよ……」 龍田「…………」 龍田「ん、大丈夫……大丈夫よ……」 天龍「ちっとも大丈夫に見えねぇよ……」 目は虚ろ、元々白かった肌は蒼褪め、その体は酷く冷たい。 そんな惨状に他の艦娘は彼女を責めるどころか、会話する事すら躊躇われた。 まるで次の瞬間には消えてしまいそうな、そんな危うさを秘めている。

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