艦これ ss ヤンデレ 修羅場。 【北上SS・艦これ】提督「ヤンデレ?」大井「……」

#25 修羅場の極み

艦これ ss ヤンデレ 修羅場

叢雲「ちょっと話があるんだけど」 吹雪「なあに叢雲ちゃん。 叢雲「私は今、話したいの」 吹雪「…………何かな?」 溜息を吐きながら吹雪は妹を見た。 彼女の顔は一目で分かる程怒りに満ちていた。 叢雲「あいつが全部白状したわ。 あんたとのことを」 吹雪「あいつって誰?」 叢雲「ッ! 司令官よ!」 吹雪「……ふ~ん。 司令官、話しちゃったんだ」 悪びれる様子も無く、吹雪はニヤニヤといった表情で言った。 だから司令官が悲しそうにしてるのは耐えられない」 吹雪「だからね、妹の不始末はお姉ちゃんである私が何とかしなきゃって思ったんだ」 吹雪「叢雲ちゃんがしてあげられなかったこと、私がしてあげたら司令官凄く満足そうだったよ」 叢雲の顔が真っ赤に染まり、頭の中があらゆる感情でかき回された。 吹雪「けどゴメンね。 私が最初に司令官の想いを受け止めてあげちゃって」 叢雲「ッ!」 叢雲の頭の中をごちゃごちゃにしていた感情が瞬時に激しい怒りのみへと変わった。 その時は私が勢いに任せてですけど……」 羽黒「でも今のは司令官さんからしてくれました。 コンコン 羽黒「はい……あっ、初霜ちゃん」 初霜「ゴメンなさい羽黒さん。 こんな遅くに」 羽黒「だ、大丈夫だよ。 何の用かな?」 初霜「うふふ。 すぐに済みます」 初霜「消えて」 その一言と共に初霜は後ろ手に隠し持っていた包丁を躊躇無く羽黒の胸元に突き刺した。 【報復】 阿賀野「最近提督さんと夫婦の営みが出来てない」 酒匂「ピャ、ピャ~……阿賀野姉大胆」 矢矧「ゲホッ、ゲホッ。 い、いきなり何を言い出すのよもう」 阿賀野「だって変なんだもん。 つい最近までは毎日のようにしてたのに……」 阿賀野「何か急にパッタリ止まっちゃったの。 もう欲求不満だよ~」ブーブー 酒匂「ま、毎日……」ピャ~ 矢矧「それだけ頑張ってたら疲れもするでしょうに。 その内また元気に再開するわよ」 阿賀野「そ~かな~? 能代はどう思う?」 能代「ん~? そうねえ、阿賀野姉に飽きたとか?」 阿賀野「え」 不穏な空気を感じ、阿賀野は思わず能代の方へ振り向いた。 矢矧「ちょ、能代姉ってば」 能代「あはは、冗談冗談」 阿賀野「も~、笑えないよそれは」 能代「ごめんてば。 じゃあ私、秘書艦の仕事があるから行くね」 ギー、バタン 酒匂「最近秘書艦のお仕事多いよね。 能代ちゃん」 矢矧「要領が良いからね能代姉は。 提督が頼るのも分かるわ」 阿賀野 そう言えば営みが止まった次の日からよね。 能代が秘書艦に抜擢されたのって 阿賀野 ……偶然よね? 酒匂「あっ、能代ちゃんまたミカン食べてる。 これも最近よく食べるなぁ」 【手遅れ】 陽炎「天津風、司令の様子はどう?」 陽炎「司令、ちょっと話したいことが……って天津風。 居たのね」 陽炎「司令から何かされたりとかしてない? ふふ」 最近の陽炎は天津風によく提督のことを聞いてきた。 可愛い妹が何か良からぬ事をされていないか気になるのだろうか。 それにしても過保護すぎるぐらい聞いてきた。 天津風「陽炎姉さん」 陽炎「ん? 何?」 天津風「私のことを心配してくれるのは嬉しいけど、大丈夫よ」 天津風「あの人はとても信頼出来る人だから、変な心配はいらないわ」 陽炎「えっ? 何言ってるの? 天津風なんか心配してないよ」 天津風「えっ……? じゃあ誰の……」 陽炎「決まってるじゃない。 司令よ」 天津風「ど、どういうこと?」 陽炎「だって私が居るのに、天津風に変に誘惑されてないか心配なんだもの」 陽炎「付き合いの長い私に言ってくれれば、色々な事をしてあげるのになぁ」 陽炎「それこそ一緒に寝たりとか、ね?」 あまりに悪びれなく言う姉の姿に天津風は堪らず左手の薬指に付けている指輪を見せた。 天津風「さっきから何言ってるのよ!! 私とあの人は!!」 陽炎「あのさぁ、あの人あの人って司令のことを呼ぶの止めなさいよ」 陽炎「正直我慢するのも限界があるんだよねえ」 笑みを浮かべた表情からうって変わって、陽炎の顔は怒りに満ちていた。 赤く腫れた箇所をさすりながら陽炎は言った。 陽炎「まっ、精々それで満足してれば」 陽炎「その時が来れば私が変わりに司令の事をあの人って呼ぶからさ」 天津風「最低……!!」 陽炎 そんな紛い物より、私はずっと良い本物を貰ったからさ 天津風に背を向け、その場を陽炎は立ち去った。 自らの腹部を愛おしそうに撫でながら。 【心配】 山城「扶桑姉さま……」 扶桑と山城の私室。 そこへ山城が悲痛な表情で乗り込んできた。 扶桑「あら? どうしたの山城。 顔色が凄く悪いわ」 山城「て、提督が今、私と別れようって……」 山城「代わりに扶桑姉さまとケッコンするから指輪を外せって……」 扶桑「あらあら」 山城「わ、わ、私、訳が分からなくて執務室から飛び出してきちゃって……!」 山城「わ、私どうしたら……提督と別れたくないです。 どうしたら良いんですか姉さま」 扶桑「もう山城ったら。 駄目じゃない」 扶桑「提督にちゃんと指輪をお返ししなくちゃ。 ね?」 山城「えっ……」 敬愛する姉の言った言葉が信じられず、山城の目は驚愕に見開いた。 山城「ね、姉さま……何を仰っているんですか……?」 扶桑「聞こえなかったの? ならもう一度言うわね」 扶桑「提督にちゃんと指輪を返しなさい」 扶桑「それとも今この場で私が貰いましょうか? 元々その予定だったのだし」 扶桑が立ち上がるのを見て、山城は反射的に左手を背に隠した。 一瞬何が起きたのか分からず、山城は呆然とした。 扶桑「いい加減にしなさい! 今まで提督を邪険に扱っていたくせに!」 山城「ね、姉さま……」 扶桑「提督の気の迷いだったの。 ずっとお慕いしていた私じゃなく、山城をケッコン相手に選んだのは」 扶桑「このままだと互いに不幸になる。 だから私は提督を必死に説得したのよ。 山城とは別れてくださいって」 扶桑「身体をはって、ね」 姉の言葉の意味を悟った山城は、扶桑を殺さんばかりに睨み付けた。 今まで生きてきて初めてのことだった。 敬愛する姉を憎しみの対象として見たのは。 扶桑「貴女でもそんな目をするのね」 扶桑「でももう遅いわ。 提督は隣に私を選んだの」 扶桑「さあ、指輪を渡しなさい」 山城「い、嫌ッ! 絶対に嫌ッ!」 扶桑「渡しなさい!!」 片付けらていた二人の部屋が滅茶苦茶になった時、扶桑の手には山城の指輪が握られていた。 扶桑「全く、分からず屋の妹を持つと不幸だわ」 扶桑「さて、あの人のところに行きましょうか。 改めて指輪をはめてもらいましょう」 扶桑が出ていった部屋には、山城が涙を流しながら倒れていた。 その瞳に光は無い。 山城「不幸、うふふふ、不幸だわ……」 ゆっくりと立ち上がった山城は静かに艤装を展開した。 向かう先は決めている。 全てを無かったことにするために。 【転落】 蒼龍「私が貴女の部屋に来た意味、分かるよね」 大鯨「はい。 何となくですが、分かります」 蒼龍「それなら話が早いわ。 もう提督のことを誑かさないでくれるかな?」 大鯨「誑かす……?」 蒼龍「惚けないで。 空母のみんなに協力してもらって、全部知ってるから」 蒼龍「私っていう恋人がいるのに、何で提督を奪おうとするかな?」 大鯨「私は誑かしていませんし、蒼龍さんから提督を奪おうとしていません」 蒼龍「この期に及んでまだそんなことを……!」 大鯨「本当ですよ? 提督自ら私のところに来てくれるんです」 大鯨「蒼龍さんとケッコンされる前からそうでしたから」 大鯨「私からの特別補給、忘れられないみたいです。 うふふ」 蒼龍「ふ、ふざけないで! 私をそんなに怒らせたいの!」 大鯨「そんなカリカリしないで下さい。 私だっていつも言ってるんです。 蒼龍さんに悪いですよって」 大鯨「それでも提督が求めて来てくれるのなら、拒む理由はありませんよね」 蒼龍「いい加減に……!!」 大鯨「そんなに言うなら蒼龍さんが満足させてあげれば良いんじゃないですか?」 大鯨「私のように特別補給で」 ガタンとテーブルがひっくり返り、蒼龍が大鯨を掴んで引き倒し、馬乗りになった。 怒りに燃える彼女から何度も叩かれながらも、大鯨の目は笑っていた。 大鯨 提督ならきっと…… 騒ぎを聞いて駆けつけた彼は蒼龍を止めるだろう。 そしてその後、自分を心配してくれるだろう。 大鯨は蒼龍から提督を奪う必要は無かった。 ケッコンする前から心は既に貰っていたのだから。 【もぬけの殻】 綾波「司令官、喜んでくれるかな?」 午後11時、殆どの艦娘が眠りにつく中、提督はまだ書類と格闘している。 少しでも彼の助けになればと綾波は手作りの夜食を手に執務室へと向かっていた。 綾波 司令官が夜食を食べ終わったら、綾波もお手伝いしなくちゃね 夜食を乗せたトレイを持つ左手の薬指にはケッコンカッコカリの指輪があった。 自然と笑みがこぼれる。 そして愛しい人の喜ぶ顔を思い浮かべながら、綾波は到着した執務室の戸を叩いた。 綾波「綾波です。 司令官、夜食を作ってきました」 気配はあるが、返事がない。 自分が居ない間に眠ってしまったのだろうか。 綾波「失礼します。 大鳳が提督に馬乗りになり、深い口付けを交わしていたのだから。 綾波「…………えっ」 トレイが手から落ち、地面へと落ちた。 食器も割れ、夜食が散乱する。 それに気付いた大鳳が口付けを終え、顔を綾波へ向けた。 大鳳「……あら。 もう戻ってきたのね」 綾波「何、してるんですか……」 わざとらしい口調だった。 服も所々がはだけ、妖艶な雰囲気を醸し出している。 大鳳に乗られたままの提督はただ綾波を見つめ、顔を真っ青にしていた。 大鳳「ごめんなさい。 貴女が戻るまでに済ませるつもりだったんだけど……」 大鳳「提督との口付けが気持ち良くてつい夢中になっちゃったの」 大鳳「綾波、貴女もする? まあ、私が済んでからになるけどね」 綾波は扉を勢いよく閉め、力が抜けたように廊下に座り込んだ。 そして再び遮断された執務室の中からは大鳳の声が聞こえてきた。 大鳳「そんなに動揺しないで提督。 綾波はもういないわ」 大鳳「心配することない。 貴方は私が守るから」 大鳳「だからもう一度、して……」 その言葉の少し後、大鳳の嬌声が執務室の中から響いてきた。 綾波は両耳を抑え、全ての音を遮断した。 自分の心臓の音が聞こえたが、不思議と落ち着いていた。 綾波 どうして司令官と大鳳さんが……? 綾波 司令官の顔は真っ青だった。 つまり無理矢理大鳳さんが……? 綾波 司令官は襲われた……? 愛しい人が襲われ、望まぬ行為を強いられている。 ならば自分がするべきことは一つだった。 綾波「司令官……綾波が、守ります」 艤装を展開をした彼女に瞳に光は無い。 その夜、提督と艦娘二人が姿を消した。 【守り神】 龍田「ねえ、最近あの娘とよく会っているわよね」 龍田「何で知っているのかって? 当然じゃない」 龍田「私はいつでも貴方のことを見ているからよ」 龍田「そ・れ・で、私に内緒でおいたをしてな~い?」 龍田「それも私がとっても許せない内容のおいたを」 龍田「し て な い か し ら?」 龍田「あの人から全部聞いたわよ。 随分と調子に乗っちゃったみたいね~」 秋津洲「龍田さんが隙だらけなだけかも。 提督に構ってあげないからこんなことになったんだよ」 龍田「私が悪いみたいな言い方は止めてもらえるかしら?」 龍田「この泥棒猫」 秋津洲「そっちこそ提督に告白されたからって調子に乗らないでほしいかも」 秋津洲「言っておくけど、私は諦める気はないから」 龍田「はあ~……獣に説得は無理ね。 時間の無駄だったわ」 ザシュ 秋津洲「何を……言って……えっ……?」 龍田「言葉が無理なら実力行使よね~」 龍田「さってと、薄汚い猫は海に捨てて~」 龍田「貴方は私と一緒よ」 龍田「身体はもう汚されちゃって、洗っても落ちそうにないから~」 龍田「せめて心だけでも、ね」 龍田「ずっと一緒よ。 あ・な・た」 【駆除】 イタリア『Buon giorno。 千歳さん、突然のことでビックリしましたか?』 イタリア『貴女だけにでも私と提督の近況をお伝えしたくて、こうしてビデオを撮っています』 イタリア『ふふっ、可愛いでしょう? 提督と私の子供達です。 まだ私のお腹に二人いるんですよ』 イタリア『私を憎んでいますか千歳さん。 提督を連れて姿を消したイタリアを』 イタリア『でも千歳さんが悪いんですよ』 イタリア『大好きな提督を独り占めするから……イタリアに譲ってくれないから』 イタリア『実力で、とも考えたんですけど、軽空母の千歳さんが戦艦のイタリアに敵うわけありません』 イタリア『無闇に傷付けたくなかったし、提督も悲しませたくなかったので……こんな形になりました』 イタリア『これが最初で最後のビデオレターです。 提督とイタリアの幸せを壊さないで下さいね』 イタリア『Arrivederci』 千歳「…………」 テレビの画面を叩き割った千歳の左手は血に染まっていた。 同時に薬指にはめられていたケッコン指輪も彼女の心境を表すかのように真っ赤だった。 翌朝、沢山の艦載機と共に軽空母千歳が姿を消した。 【奪還】 飛鷹と提督はケッコンしている。 あの隼鷹の口からして「甘ったるい」と言わせる程の熱々ぶりである。 だが二人の傍にはいつも一人の艦娘がいた。 まるゆである。 飛鷹はいつも不満げな表情を浮かべているが、提督はまるで小さな娘を可愛がるように彼女を傍に置いていた。 気になった隼鷹が折を見てまるゆに話してみると、彼女は悲しげな表情で言った。 まるゆ「お邪魔なのは分かってます。 けれどまるゆ、ここに来て不安ばかりだったのを隊長に助けてもらったんです」 まるゆ「あきつ丸さんと木曾さんにも気にかけて頂いてます。 でもやっぱりまるゆは隊長のお傍が良いんです」 まるゆ「飛鷹さんにも許可は頂いているので、もうこれ以上は……」 飛鷹が許可していると言うのなら、隼鷹の口からはもう何も言う事は出来ない。 あの不満げな表情も理解はしてるものの、本音はやっぱり提督と二人だけの生活を満喫したいのだろう。 まるゆが走り去っていくのを見て、隼鷹は姉の不満が爆発しないのを祈るばかりだった。 隼鷹 あの娘、あんな小さな身体してるけど、話してる最中目が笑ってなかったねえ 隼鷹 くわばらくわばら。 あたしはこれ以上関わるのをや~めた まるゆ 後もう少しなのに……飛鷹さん邪魔だなぁ。 最近はまるゆが眠るのを待ってるみたいだし まるゆ 知ってますか隊長。 まるゆを近代化改修に使用すると、運が上昇するそうですよ まるゆ でもまるゆは他の人達の物にはなりません…… まるゆ 隊長の物になら喜んでなります……! まるゆ 最初は触れ合って、次に唇。 最後は二人で一つになりたいです まるゆ 飛鷹さんには眠っててもらわないと駄目ですね。 まるゆが隊長の物になる為に まるゆ まるゆは傍で隊長を守ります。 うふふ 執務室に入る直前だったまるゆの表情は幼い外見に似合わない程蠱惑的だった。 しかしそれは一瞬のことで、執務室の扉を開けた時には相応の物に戻っていた。 まるゆ「隊長、飛鷹さん。 まるゆにもお手伝いさせて下さい!」 【吸収】 鹿島「龍驤さん、ここ良いですか?」 龍驤「ん~? ええで。 けど他にも席空いとるのにわざわざここに座らんでもええやんか」 鹿島「うふふ。 龍驤さんとは少しお話したいことがありまして」 龍驤「ここ食堂やで? 周りに色んな娘がおるけど、だいじょぶなんか?」 鹿島「すぐに済みますよ。 龍驤さんが私のお願いを聞いてくれたらいいんです」 龍驤「内容によるなぁ」 鹿島「簡単なことです。 私の提督さんにこれ以上ちょっかいをかけないでくれますか?」 龍驤「なんや、思ったより答えを出すのは簡単な内容やったわ」 龍驤「嫌や」 鹿島「どうしてですか? 提督さんは鹿島のとっても大事な人なんですけど」 龍驤「そんなん知らんわ。 ウチには関係ない」 鹿島「図々しい女……」ボソッ 龍驤「聞こえとるで。 こんな嫉妬深い女に好かれとるなんて、司令官もついてないなぁ」 鹿島「どうしてそんな態度が取れるんですか? 見た目同様に人の言うことが素直に聞けない子供なんですか?」 龍驤「ウチはこれでも物分りはええ方やで。 けどな、目の前にいる嫉妬深い乳デカ女の場合は別」 龍驤「あんたの束縛に疲れてる司令官をウチが癒してあげたんや。 感謝してほしいぐらいやわ」 鹿島「うるさい……」 龍驤「それにあんたが馬鹿にしてるウチの体型でも司令官は愛してくれたで? 龍驤、龍驤ってな」 瞬間、鹿島はトレイに置いてあった水入りのコップを手に取り、龍驤の頭からゆっくりかけた。 周囲の空気が凍り、視線が二人に集中する。 ずぶ濡れになった龍驤の視線の先には瞳から光を無くした鹿島だった。 鹿島「ホントにうるさい……」 静まり返った食堂の中に感情の感じられない鹿島の声が響いた。 【本性】 しおい「はあ……また私の大破が原因で撤退。 足を引っ張っちゃってるなぁ」 しおい「提督は気にするなって言ってくれるけど、これを貰った身としては気にしちゃうよ」 瑞鶴「どうしたのしおいちゃん。 溜め息吐いちゃって」 しおい「瑞鶴さん……」 瑞鶴「私で良ければ話してみなよ。 溜め込むのは駄目だって」 しおい「……はい。 提督さんに見捨てられないか心配なんだ」 しおい「うん。 こうして指輪を貰ったし、提督の役に立ちたいと思ってるんですけど」 瑞鶴「話を聞く限り、指輪がちょっとしたプレッシャーになってる感じ?」 しおい「そんな事はないですけど……」 瑞鶴「ふふ~ん。 それなら私が貰ってあげようか? それ」 しおい「えっ……」 瑞鶴「錬度最大だし、改二になって戦闘力も上がってる。 更に空母の欠点の一つである燃費も改善」 瑞鶴「良い事づくめだと思わない?」 しおい「…………」 瑞鶴「それに憧れてたんだよねえ。 ケッコン指輪を身に付けるって、どんな気分になるのかさ」 瑞鶴「ねえ、私に譲ってくれる?」 しおい「だ、駄目です! これはしおいの大事な物ですから!」 瑞鶴「……………………」 瑞鶴「な~んてね。 本気にした?」 しおい「へっ?」 瑞鶴「大事な物なら弱気にならないで、必死に頑張りな。 提督さんも期待してるんだから」 しおい「瑞鶴さん……」 瑞鶴「私も付いててあげるからさ、一緒に頑張ろうよ。 次こそは絶対あいつ等をやっつけてやりましょう」 しおい「は、はい! しおい頑張ります!」 瑞鶴 そうよ。 私が付いててあげる 瑞鶴 しおいちゃんは私の身代わりに……被害担当艦になってもらわなくちゃ。 瑞鶴 その時が来たら、全部私が引き継ぐからね。 大好きな提督さんも指輪も、ね 【疫病神】 卯月「武蔵さ~ん!」 そう卯月が声を掛けるとドアが開き、武蔵が出てきた。 しかし不自然なことに出てきたのは彼女の頭だけだった。 武蔵「卯月じゃないか。 どうしたんだ一体」 卯月「清霜から聞いたぴょん。 司令官が武蔵さんとこの部屋に入るのを見たって」 武蔵「清霜の奴……」ボソッ 卯月「今日は司令官と一緒にご飯食べる約束してるんだぴょん」 卯月「最近司令官と遊べてないし、頭も撫でてもらってないぴょん。 正直言って不満沢山だぴょん」 卯月「だから~、うーちゃんは今日こそは司令官と一緒に過ごすんだぴょん」 武蔵「ふふっ、それは悪いことをした。 肝心の提督だが、今は寝てしまってるんだ。 大事な相談中だというのに全く困ったものだ」 卯月「ぷっぷくぷ~! だらしない司令官だぴょん。 うーちゃんが起こしてあげようか?」 武蔵「いや、それには及ばない。 私が責任を持って起こし、卯月に送り届けよう」 武蔵「私との話の最中に寝てしまったツケをたっぷり払ってもらってからな」 卯月「およよ~、なるべく穏便にしてほしいぴょん」 武蔵「ははははっ、心配するな。 さあ、お前は先に食堂に行って待っているといい」 卯月「りょ~かいで~す。 武蔵「無邪気なことだ。 提督はもうこの武蔵の虜だというのに」 武蔵の視線の先には全裸の提督が布団に横たわっていた。 気絶しているらしく、ピクリとも動かない。 そして武蔵も衣服を纏っておらず、提督と同じように生まれたままの姿をさらしていた。 武蔵「大和ほどではないが、私も居住性には自信があるのだ。 私も大和型だからな」 武蔵「迂闊に私の気を引くからだぞ提督。 だからこうしてお前を虜にしてやったんだ」 武蔵「まだまだタップリと宿泊代を払ってもらわなくてはな。 卯月には悪いが、約束はまた後日だな」 武蔵「ふふふ……」 数日後、提督は武蔵にケッコンカッコカリの指輪を渡した。 それを知った卯月は部屋に籠もりがちになった。 大和が語ったところによると、武蔵に指輪を渡す際の提督の様子は何処か怯えたような表情だったという。 【代償】 夕立「ちょっと……!」 萩風「…………」 廊下を歩いていた萩風の前に立ちはだかったのは夕立だった。 改二の影響で紅くなった瞳が彼女を鋭い目付きで睨み付けている。 だがそれに動じることなく萩風は夕立を無視し、通り過ぎようとした。 夕立「無視する気!」 萩風「話すことはありませんから」 夕立「夕立にはある!」 萩風「……何ですか?」ハア 夕立「何で! 何であんたが指輪を持ってるの! それは夕立が貰う筈だったのに!」 萩風「初耳ですね。 司令はそんなことを一言も言ってませんでしたよ?」 夕立「あんたが提督さんを言い包めて夕立から奪ったんでしょ!」 萩風「言い掛かりは止めて下さい。 だが艤装を付けていなくても艦娘の力は凄まじい。 夕立と萩風の顔には殴られた際の痣が出来ていた。 夕立「あんたなんか大っ嫌い……!」 萩風「それはこちらの台詞です……!」 その後、この鎮守府の所属艦娘の記録に夕立と萩風の記録は無かった。 二人らしき姿が最後に目撃されたのは、出撃でもないのに艤装を付けて海に飛び出していく瞬間だった。 ちゃんとのっくをしてはいりました。 なかにはしれーとほうしょうさんがいました。 なんだかあそべそうになかったので、おじぎをしてしれーのへやからでました。 そのすこしあと、ほうしょうさんにしれーのおへやでなにをしていたのかをききました。 なんでもしれーとしょうらいかぞくになるための、だいじなことをしていたそうです。 それをきいたとき、ゆきかぜのむねがチクチクといたみました。 なぜだかわかりません! ほうしょうさんは、もしていとくとかぞくになったなら、ゆきかぜをひとりむすめとしてむかえたいといっていました。 しれーとこれからもいっしょにいられるのなら、ぜひゆきかぜもかぞくになりたいです。 そしたらゆきかぜもほうしょうさんのように、はだかでしれーとおひるねするのでしょうか? 提督「…………」 【予告】 蒼龍「あの、熊野」 熊野「…………」 蒼龍「私、提督と」 熊野「それ以上何も仰らないで下さい」 熊野「提督は蒼龍さん、貴女を選びました。 下手な慰めは相手を惨めにします」 熊野「特に、恋に関しては」 蒼龍「…………ゴメン」 熊野「構いません。 今は祝福させて頂きます」 熊野「但し、気を付けて下さいね」 蒼龍「どういう事?」 熊野「提督に好意を持っている方は多い。 例え貴女を選んだとしても素直に諦める娘達ばかりではありませんわ」 熊野「皆の望んだ立ち位置を手に入れたのなら、そこを死守しなければなりませんわ」 熊野「油断すればすぐ奪われてしまうかもしれませんわ。 うふふ」 蒼龍「成る程ね。 熊野のように」 熊野「さあ、どうでしょうか。 きっと提督も夢中になりますわ」 熊野「うふふふ……」 熊野 だから忠告したのに。 ノロマなのね 【龍の居ぬ間に】.

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#艦これ #ヤンデレ 提督業を疎かにしていたら艦娘たちがヤンデレになった

艦これ ss ヤンデレ 修羅場

提督「ああ畜生! いかん、執務の開始時刻に間に合わん!」 提督(今日の秘書艦はあの娘だったな… …クソっ、色々と無事なら良いんだが) ガチャ 提督「済まない、遅くなってしまっ…」 時雨「あ、おはよう提督。 清々しい朝だね。 」 提督「ん、ああ。 おはよう、時雨。 遅れてしまって申し訳ない。 」 時雨「?何を言ってるの? 提督が遅れる訳が無いじゃないか? ほら、時計を見ても、ぴったりさ。 」 提督「…済まん。 本当に済まん。 大丈夫か?怪我はしていないか?」 時雨「え?ああ、これの事?執務室の時計を直してただけだし、大丈夫だよ。 大袈裟だなぁ。 …でも、心配してくれるのは嬉しいよ」 提督「…すまないな。 今度何か埋め合わせをする。 だから、どうか許してくれ」 時雨「??さっきから本当何を言っているの提督。 提督は遅れてなんか無いし、謝る必要も、赦しを請う必要も無い。 逆に謝られても困るよ」 提督「…取り敢えず、この部屋中の時計を片付けるよ。 …全部、もう動きそうにないしな」 提督(…時計は全部スクラップになってる。 …まあ、こうなるか) 時雨「あ…ごめんね。 さっきから時計が狂ってて、それを直したら今度は動かなくなっちゃって…」 提督「…本当に手は怪我して無いか?」 時雨「うん、大丈夫さ。 …それにしても、また時計買わないとね。 」 提督「なあ、時雨。 その…」 時雨「うん?なあに、提督」 提督「その…以前もだが…時雨は。 どうして俺が時間に遅れたと思わないんだ? 何故、時計が壊れたとしか考えない?」 時雨「?…ふふっ、可笑しな事を言うね、提督は。 」 提督「そんなに変な事を聞いたか?」 時雨「うん。 …だってあり得ないじゃないか」 提督「…そうか?」 時雨「うん。 だって昨日。 提督が、朝に集合するように、僕に向かって言ってくれたでしょ? 僕を見て、僕の為に、きちんと時間まで決めて言ってくれたじゃないか。 僕が出来る事を、提督の為に出来る事を提督が僕の為だけに伝えてくれたじゃないか」 時雨「提督が僕に向かって嘘を吐く筈が無い。 提督が、僕に嘘を吐くなんて有り得ない。 提督が遅れたなんて有り得ないでしょ? それなら時計が僕に嘘をついてるとしか考えられないじゃないか」 提督「…成る程。 じゃあ、この部屋の全ての時計が壊れていたんだな。 …不幸にも」 時雨「本当にね…前も一回、こんな事があったよね。 案外、僕も運が悪いのかも」 提督「…『佐世保の時雨』が何を言う」 時雨「…ねえ、でも、そのさ。 さっき、埋め合わせをしてくれるって言ってたよね」 提督「…ああ」 時雨「う、埋め合わせとかじゃないんだけどさ。 君が行きたい場所に付いて行こう」 時雨「ほ、本当!? …ありがとう、嬉しいな…」 提督「さて、執務に取り掛かろう。 あまり時間が無いぞ」 時雨「あ、うん。 …ねえ提督」 提督「…何だ?」 時雨「…その日。 あの娘の行動さえ無ければ今日遅れる事なぞあり得なかったのだが…) 「あーっ!司令官!」 提督「ッ!!」ビクッ 提督(…噂をすれば…か) 提督「……やあ。 元気そうで何よりだ、雷」 雷「司令官も元気そうね! …でも駄目よ、まだ休んでなきゃ!」 提督「…はは、さっきも言ったろう?そんなに休む必要なんて無いさ。 だからーー」 雷「嘘!」 提督「…!」 雷「だって昨日夜遅くまでお酒を飲んでたじゃない。 しかもかなり深酒してた」 雷「それだけじゃないわ。 一昨日からあまりお腹の調子が良くないし、寝不足で隈も出来てるし、頭痛薬を飲んでるから頭も痛いみたいだし、それに……」 提督「…もういい。 …なあ、雷よ」 提督(…愚問だと言うのは解ってる。 だが…) 提督「…何故そこまで知っているんだ?酒は一人で飲んでいた。 頭痛薬のゴミも一人で処理をしたし、腹の調子に至っては口外すらして無い。 どれも知るはずが無いのに…」 提督(…やはり、聞かずにはいられん) 雷「なんで、って…もう、そんなの決まっているじゃない!」 雷 「『愛の力』よ!」 提督「『愛の力』…か?」 雷「…って、司令官ったら!解ってるのに言わせたの?全くもう、いじわるなんだから!」プンスカ! 提督「…ハハハ、すまんすまん。 だが毎回そう言われてれば嫌でも解ってしまうよ」 提督「…そうだな。 俺は確かに疲れてるかもしれない。 だが、それは俺が休んでいい理由では無い。 やらねばならない事もあるしな」 提督「…だからな。 俺が疲れてるのは、寝ている間に寝床に入り込んで手錠で拘束し、朝から自室に監禁しようとする行動の理由にはならないんだ」 雷「むむっ!監禁なんかじゃないわよ!あれは司令官のお世話をしようとしてたの!」 提督「…本人が望まぬ介抱は介抱じゃない」 雷「いいや、違うわ!司令官は自分に厳しいから、心は大丈夫でも体はいっつもボロボロじゃない!」 雷「病気を治すためなら相手が嫌がっても薬を飲ませる必要があるみたいに、お世話の必要があるなら、相手がなんて言おうと世話するべきなの!」 提督「…成る程。 一理あるかもな。 だが残念、俺には仕事をする義務がある。 どうしても俺がやらなきゃならない物がな」 雷「…もう、司令官たら。 私がいるじゃない!」 雷「司令官がやってる仕事も全部、なにもかもこの雷様がやるわ。 だから私に頼って、司令官はゆっくりと休んでいいのよ!」 提督「もう十二分に頼ってるとも」 雷「もっと、もっと頼ってってば!」 雷「…私、司令官の仕事も、周りの世話も、全部司令官の代わりにやるわ!あなたの好きな事なら何でもするし、あなたが嫌いな物はぜんぶ排除してあげるわ。 …だから、ね?」 提督「…まあ、いつかはその誘いに乗るかもしれんから、待っててくれ」 雷「むー!司令官たらそればっかりなんだから!」 提督「…悪い。 そして重ねて済まんが、用事があるんだ。 思わず振り切ってしまったが…大丈夫だろうか?) 提督(が、しかし…怖いんだよな、雷。 何が怖いって、あの誘いに本当は乗ってしまいたい自分が居る事が…) ドスッ 提督「……え?」 ポタッ ポタッ 「…」 提督「…お…お前……」 「…ふふ…」 提督「…この手の悪戯は止めろと言っただろうが!ああ全く、心臓に悪い…」 卯月「あははは〜!変な顔! ねえねえ、驚いたっぴょん?」 提督「…幾らか寿命が縮んだんじゃないかってくらいにはな…」 卯月「げげ、それは困るっぴょん」 提督「なら金輪際やるな。 …『ああ、遂にか』と思ったぞ」 卯月「遂にって…刺される心当たりがそんなにあるのかっぴょん?うーちゃん、そういうのは感心しないなぁ〜」 提督「心当たりがあるというか何というか… …少なくとも刺される様な真似はしてないはずなんだがな…」 卯月「…よくわかんないけど、大変そうな司令官に敬礼っぴょん!」 提督「にしても…ああクソッ、服洗いに行かなきゃならないな。 全く、おもちゃのナイフだけならまだしも、血糊まで用意しおってからに…」 卯月「う、ごめんなさいっぴょん。 今度からは実害はかけない方針で行くつもりっぴょん」 提督「イタズラ自体をやめるという考えは無いんだな…ま、いいさ。 別に危険があるとか怪我をするとかいう訳でも無いし、程々にしてくれるのならまあ許す」 卯月「寛大な司令官に、再び敬礼っぴょん!」 提督「はは、安い敬意だな全く」 卯月「むー、そんな事ないっぴょん! …ところで司令官」 提督「ん、なんだ?出来れば手短に…」 卯月「…司令官は、いつも危険があるような事を誰かにやられてるぴょん?」 提督(…しまった) 卯月「誰にやられてるっぴょん」 提督「…物の例えだよ。 刺される心当たりやら、怪我させられるとかはな。 現に今俺は怪我を負っていないだろう」 卯月「その首筋の絆創膏は怪我じゃないっぴょん?」 提督「…怪我、では、無いよ。 …まあ虫刺されみたいなものさ」 卯月「口止めされてるなら心配無いっぴょん、司令官にそんな事した奴は何かやられる前に殺…」 提督「…卯月よ。 俺が嘘をついてると言いたいのか?」 卯月「!!ち、ちがうっぴょん!司令官が嘘を吐いてるなんて、そんな、そんなの…!」 提督「…解ってるさ、卯月。 …大丈夫さ。 安心してくれ。 心配は嬉しいが、お前の思ってるような事にはなっていないのさ」 卯月「…ごめんなさい。 うーちゃん、少し心配になっちゃって…」 提督「…心配から言ってくれたのはよく分かってるさ。 ありがとう。 お前は優しいな」 卯月「えっへへ〜、褒めても何も出ないぴょん!」 提督「…それじゃあ、俺は服を洗いに行ってくる。 …もうさっきみたいな悪戯をやるのはよせよ?」 卯月「司令官に寿命が縮まれたらやだからもうしないっぴょん!うーちゃんも、もうちょっと生きていたいっぴょん!」 提督「…? 俺が死ぬと、お前も死ぬのか?」 卯月「?当然っぴょん? 司令官が居ない世界を生きていける訳が無いっぴょん。 というか生きるイミ無いぴょん?」 提督「…成る程、そうかい。 なら、俺は長生きしないとな。 …できれば誰にも会いたく無いが…) 「あら、提督?どうしたんですか?」 提督「ッ!!」ゾクッ 提督「…やあ、こんにちは。 今日はいい天気だな」 扶桑「ええ、本当に。 提督と会うのにはいい日です」 提督(…ああ、全く。 ままならないな…) 提督「…どうしたんだ?何故洗濯場に?君もここに何か用事があるのか」 扶桑「ええ。 今、出来ました」 提督「いや、そういう事じゃなくてだな… …まあいい」 扶桑「提督はその軍服の汚れを落とす為でしょうか…血の様にも見えますが…」 提督「ああ、いやこれは…」 扶桑「でも提督の血では無いみたいですね。 提督に傷はありませんもの。 …血糊でしょうか?それとも、誰かの血?」 提督「…後者ではない事は言っておくぞ」 扶桑「もしそうだとしても、私は提督を拒絶したりはしませんよ?」 提督「…そんなに俺を犯罪者に仕立て上げたいか?」 扶桑「ふふ、冗談ですよ。 …失礼、髪にごみがついてますよ?」 スッ 提督「…ッ」 提督「…ああ、済まない。 まあこの汚れについては気にしなくていい。 ほら、君も用がないなら戻れ」 扶桑「…その軍服、よろしければ私が洗いましょうか」 提督「…わざわざ君に手を煩わすまでもない。 いいから戻れ。 君にも何か用事があるんじゃないか?」 扶桑「出撃は終えてきました。 用事も、特にはありません。 ですから、提督も気を使って下さらなくてもいいですよ?」 提督「…(どうせ、引くつもりは無いんだろうな)」 提督「…そこまで言うなら頼んでもいいか?」 扶桑「ええ、是非とも」 提督「…じゃあお願いしようか。 …それでは、俺は仕事に戻る」 扶桑「あら、もうですか? もう少し、話していきませんか?」 提督「申し訳無いがそれはまた今度だ。 それではな」 扶桑「…随分と急ぐんですね」 提督「…まあな」 扶桑「…そんなに私の事がお嫌いですか?」 提督「……ッ」 提督「…嫌いな訳は無いさ」 扶桑「…『好きだ』とは言ってくれないのですね」 提督「…」 バタン 扶桑「…ふふ」 扶桑(提督は恥ずかしがり屋ですね。 それとも私達の仲を他の人達から隠しているのかしら?どちらにせよ、悲しいわ) 扶桑(でも、我慢します。 例え冷たく接されそうと…) 扶桑(例え私を邪険にしても、私を否定しても、私以外の娘と話しても、他の人と仲良くしてても、他の娘を甘やかしても。 そして私に隠し事をしても。 全て許します。 最後に私の所に戻ってくるなら…) 扶桑(だって、それが『妻』たる者の役目ですものね。 あなたの愛を最後まで受ける事こそ私の役割だもの…) 扶桑「…」バサッ 【扶桑は躊躇いなく軍服を羽織った】 扶桑「ああ…ふふ… 不幸…いいや、幸せだわ。 」 提督(彼女は、扶桑は…基本的に無害ではあるんだが…何処か怖いんだよな…俺と話してる時にも何か別の、自分の世界に浸ってるような…俺と別の認識を持っているような…) 提督(そして何より、俺からの好意の言葉をいつもいつも言わせようとしてくる上に… …ああやっぱり。 発信機がつけられてる。 そういえば今日は遠征が完了する日だな」 提督「…秘書艦とあの娘は出来たら合わせたく無いな。 先に執務室に行かれてなくてよかった) 提督「…やあ、イムヤ」 伊168「あ、司令官! わざわざ迎えに来てくれたの?」 提督「…やあ、お疲れ様。 丁度ここらに来たからな。 折角だからこっちに来たのさ」 伊168「…嘘つき」 提督「…え?」ドキッ 伊168「本当は私達を…私を気遣ってこっちに来てくれたんでしょ?気を使って嘘までついて…」 提督(…何だ、そういう事か)ホッ 提督「…遠征で疲れてるかなと思ってな。 逆に怪しませてしまったか?」 伊168「ううん、ありがとう、司令官。 司令官のそういう所大好きよ」 ギュッ 提督「…急に抱きつくな」 伊168「いいじゃない、それ位」 提督「ああ、いや、まあ…」 伊168「……?」 伊168「…何かやましい事でもあるの?」 提督「!いや、そんな事は…!」 伊168「…そういえば随分と身体に他の女の子の匂いが染み付いてるもんね?その割には服はかなり真新しいみたいだし。 」 伊168「ひょっとしてわざわざ迎えに来てくれたのも執務室に入れたく無かったから?入られると都合が悪いから?服を着替えるような事をしてて、部屋に入れたくなかったから?」 提督「ッ!?ち、違う!!」 伊168「大丈夫よ、司令官が自分からそういう事をシただなんて思って無いから。 無理やりさせられたんでしょ?大丈夫、そんな子は私が居なくならせるから。 えっと、今日の秘書艦は…」 提督「やめろ、イムヤ! 違う、服を着替えたのはただイタズラで服が汚れてしまっただけであって…!」 伊168「イタズラ?そんな事されたの? それも、着替えなきゃいけないくらいに服が汚されるような?」 提督「……!(…馬鹿か、俺は!)」 伊168「イタズラっていうと…やっぱりあの子だよね?…ごめんね、前忠告しておいたんだけど…そしたら『他の皆がやっても許されない。 あれはうーちゃんだけの特権』なんてよく解らない事言われて誤魔化されちゃって…」 伊168「ごめんね、あの時私がもっとちゃんとしておけば良かった…ねえ、今からでも大丈夫?」 提督「ま、待て!やめろ!!」 伊168「…私を気遣ってくれてるの?大丈夫よ、私疲れてなんてないから。 」 提督「違う、やめろと言っているんだ!」 伊168「それに、司令官の為なら私いつでも、何でもできるわ。 だから…」 提督「…イムヤ、頼む…!」 伊168「…」 提督「…この鎮守府に居る皆は、全員が全員、掛け替えのない仲間なんだ。 誰かが欠けてしまったら悲しいだろう…!?」 伊168「司令官に迷惑をかける娘なんて要らない」 提督「…!!…頼む、イムヤ。 俺に出来る事なら何でもする。 だから…」 伊168「…司令官は優しいね。 イムヤ以外の子にも気を掛けてあげてて」 伊168「…分かったわ、司令官。 私、何もしないわ。 困らせちゃって、ごめんね?」 提督「…! 分かってくれたか…!」 伊168「うん。 …ただ…」 カチッ 『俺に出来ることなら何でもするから…』 提督「……!?(録音機!?)」 伊168「ふふっ。 そしてアレがある限り俺は逆らえん。 反故にしようとしても、逆上してしまう可能性があるからな) 提督(…正に、『詰み』だな) 提督「…とりあえず、イムヤはまた遠征に出しておこう」 提督(…全く。 次、帰ってきた時が楽しみでしょうがないな…) 提督(…嗚呼、頭も痛い) 提督(…っと、もうこんな時間か。 じゃ遠慮なく」 提督「…やあ北上。 結構久しぶりだな?」 北上「うん、久し振り。 …相変わらず凄い顔してるね」 提督「…そうか?」 北上「そうだよ。 ていうか、隈とか表情云々の前に、まず顔色が悪いもん」 提督「…さっき、ちょっとした修羅場をくぐってきてな」 北上「修羅場ってそんな『ちょっと』でくぐるようなもんだっけ?ほんと、提督も大変だねー」 提督「はは、ありがとう…」 北上「最近やばいもんねー、ウチ… ちょっと前までそんな事は無かったのにね」 北上「…いっそ逃げちゃおうか?」 提督「それは絶対に有り得ないな」 北上「あー…暴走されたら困るから?」 提督「…それもあるが。 俺は『提督』なんだ。 それをほっぽり出して何処かに行く訳には行かないだろう」 提督「…こんな白い顔をしておいて何をと思われるかもしれないが…これでも一応、使命感ってものがあるんだ」 北上「…ま、そう言うんならいいけどさ。 無理だけはしないでよ?」.

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【吹雪】提督「ケッコン?死んでもやだ」【艦これSS】

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提督「ああ畜生! いかん、執務の開始時刻に間に合わん!」 提督(今日の秘書艦はあの娘だったな… …クソっ、色々と無事なら良いんだが) ガチャ 提督「済まない、遅くなってしまっ…」 時雨「あ、おはよう提督。 清々しい朝だね。 」 提督「ん、ああ。 おはよう、時雨。 遅れてしまって申し訳ない。 」 時雨「?何を言ってるの? 提督が遅れる訳が無いじゃないか? ほら、時計を見ても、ぴったりさ。 」 提督「…済まん。 本当に済まん。 大丈夫か?怪我はしていないか?」 時雨「え?ああ、これの事?執務室の時計を直してただけだし、大丈夫だよ。 大袈裟だなぁ。 …でも、心配してくれるのは嬉しいよ」 提督「…すまないな。 今度何か埋め合わせをする。 だから、どうか許してくれ」 時雨「??さっきから本当何を言っているの提督。 提督は遅れてなんか無いし、謝る必要も、赦しを請う必要も無い。 逆に謝られても困るよ」 提督「…取り敢えず、この部屋中の時計を片付けるよ。 …全部、もう動きそうにないしな」 提督(…時計は全部スクラップになってる。 …まあ、こうなるか) 時雨「あ…ごめんね。 さっきから時計が狂ってて、それを直したら今度は動かなくなっちゃって…」 提督「…本当に手は怪我して無いか?」 時雨「うん、大丈夫さ。 …それにしても、また時計買わないとね。 」 提督「なあ、時雨。 その…」 時雨「うん?なあに、提督」 提督「その…以前もだが…時雨は。 どうして俺が時間に遅れたと思わないんだ? 何故、時計が壊れたとしか考えない?」 時雨「?…ふふっ、可笑しな事を言うね、提督は。 」 提督「そんなに変な事を聞いたか?」 時雨「うん。 …だってあり得ないじゃないか」 提督「…そうか?」 時雨「うん。 だって昨日。 提督が、朝に集合するように、僕に向かって言ってくれたでしょ? 僕を見て、僕の為に、きちんと時間まで決めて言ってくれたじゃないか。 僕が出来る事を、提督の為に出来る事を提督が僕の為だけに伝えてくれたじゃないか」 時雨「提督が僕に向かって嘘を吐く筈が無い。 提督が、僕に嘘を吐くなんて有り得ない。 提督が遅れたなんて有り得ないでしょ? それなら時計が僕に嘘をついてるとしか考えられないじゃないか」 提督「…成る程。 じゃあ、この部屋の全ての時計が壊れていたんだな。 …不幸にも」 時雨「本当にね…前も一回、こんな事があったよね。 案外、僕も運が悪いのかも」 提督「…『佐世保の時雨』が何を言う」 時雨「…ねえ、でも、そのさ。 さっき、埋め合わせをしてくれるって言ってたよね」 提督「…ああ」 時雨「う、埋め合わせとかじゃないんだけどさ。 君が行きたい場所に付いて行こう」 時雨「ほ、本当!? …ありがとう、嬉しいな…」 提督「さて、執務に取り掛かろう。 あまり時間が無いぞ」 時雨「あ、うん。 …ねえ提督」 提督「…何だ?」 時雨「…その日。 あの娘の行動さえ無ければ今日遅れる事なぞあり得なかったのだが…) 「あーっ!司令官!」 提督「ッ!!」ビクッ 提督(…噂をすれば…か) 提督「……やあ。 元気そうで何よりだ、雷」 雷「司令官も元気そうね! …でも駄目よ、まだ休んでなきゃ!」 提督「…はは、さっきも言ったろう?そんなに休む必要なんて無いさ。 だからーー」 雷「嘘!」 提督「…!」 雷「だって昨日夜遅くまでお酒を飲んでたじゃない。 しかもかなり深酒してた」 雷「それだけじゃないわ。 一昨日からあまりお腹の調子が良くないし、寝不足で隈も出来てるし、頭痛薬を飲んでるから頭も痛いみたいだし、それに……」 提督「…もういい。 …なあ、雷よ」 提督(…愚問だと言うのは解ってる。 だが…) 提督「…何故そこまで知っているんだ?酒は一人で飲んでいた。 頭痛薬のゴミも一人で処理をしたし、腹の調子に至っては口外すらして無い。 どれも知るはずが無いのに…」 提督(…やはり、聞かずにはいられん) 雷「なんで、って…もう、そんなの決まっているじゃない!」 雷 「『愛の力』よ!」 提督「『愛の力』…か?」 雷「…って、司令官ったら!解ってるのに言わせたの?全くもう、いじわるなんだから!」プンスカ! 提督「…ハハハ、すまんすまん。 だが毎回そう言われてれば嫌でも解ってしまうよ」 提督「…そうだな。 俺は確かに疲れてるかもしれない。 だが、それは俺が休んでいい理由では無い。 やらねばならない事もあるしな」 提督「…だからな。 俺が疲れてるのは、寝ている間に寝床に入り込んで手錠で拘束し、朝から自室に監禁しようとする行動の理由にはならないんだ」 雷「むむっ!監禁なんかじゃないわよ!あれは司令官のお世話をしようとしてたの!」 提督「…本人が望まぬ介抱は介抱じゃない」 雷「いいや、違うわ!司令官は自分に厳しいから、心は大丈夫でも体はいっつもボロボロじゃない!」 雷「病気を治すためなら相手が嫌がっても薬を飲ませる必要があるみたいに、お世話の必要があるなら、相手がなんて言おうと世話するべきなの!」 提督「…成る程。 一理あるかもな。 だが残念、俺には仕事をする義務がある。 どうしても俺がやらなきゃならない物がな」 雷「…もう、司令官たら。 私がいるじゃない!」 雷「司令官がやってる仕事も全部、なにもかもこの雷様がやるわ。 だから私に頼って、司令官はゆっくりと休んでいいのよ!」 提督「もう十二分に頼ってるとも」 雷「もっと、もっと頼ってってば!」 雷「…私、司令官の仕事も、周りの世話も、全部司令官の代わりにやるわ!あなたの好きな事なら何でもするし、あなたが嫌いな物はぜんぶ排除してあげるわ。 …だから、ね?」 提督「…まあ、いつかはその誘いに乗るかもしれんから、待っててくれ」 雷「むー!司令官たらそればっかりなんだから!」 提督「…悪い。 そして重ねて済まんが、用事があるんだ。 思わず振り切ってしまったが…大丈夫だろうか?) 提督(が、しかし…怖いんだよな、雷。 何が怖いって、あの誘いに本当は乗ってしまいたい自分が居る事が…) ドスッ 提督「……え?」 ポタッ ポタッ 「…」 提督「…お…お前……」 「…ふふ…」 提督「…この手の悪戯は止めろと言っただろうが!ああ全く、心臓に悪い…」 卯月「あははは〜!変な顔! ねえねえ、驚いたっぴょん?」 提督「…幾らか寿命が縮んだんじゃないかってくらいにはな…」 卯月「げげ、それは困るっぴょん」 提督「なら金輪際やるな。 …『ああ、遂にか』と思ったぞ」 卯月「遂にって…刺される心当たりがそんなにあるのかっぴょん?うーちゃん、そういうのは感心しないなぁ〜」 提督「心当たりがあるというか何というか… …少なくとも刺される様な真似はしてないはずなんだがな…」 卯月「…よくわかんないけど、大変そうな司令官に敬礼っぴょん!」 提督「にしても…ああクソッ、服洗いに行かなきゃならないな。 全く、おもちゃのナイフだけならまだしも、血糊まで用意しおってからに…」 卯月「う、ごめんなさいっぴょん。 今度からは実害はかけない方針で行くつもりっぴょん」 提督「イタズラ自体をやめるという考えは無いんだな…ま、いいさ。 別に危険があるとか怪我をするとかいう訳でも無いし、程々にしてくれるのならまあ許す」 卯月「寛大な司令官に、再び敬礼っぴょん!」 提督「はは、安い敬意だな全く」 卯月「むー、そんな事ないっぴょん! …ところで司令官」 提督「ん、なんだ?出来れば手短に…」 卯月「…司令官は、いつも危険があるような事を誰かにやられてるぴょん?」 提督(…しまった) 卯月「誰にやられてるっぴょん」 提督「…物の例えだよ。 刺される心当たりやら、怪我させられるとかはな。 現に今俺は怪我を負っていないだろう」 卯月「その首筋の絆創膏は怪我じゃないっぴょん?」 提督「…怪我、では、無いよ。 …まあ虫刺されみたいなものさ」 卯月「口止めされてるなら心配無いっぴょん、司令官にそんな事した奴は何かやられる前に殺…」 提督「…卯月よ。 俺が嘘をついてると言いたいのか?」 卯月「!!ち、ちがうっぴょん!司令官が嘘を吐いてるなんて、そんな、そんなの…!」 提督「…解ってるさ、卯月。 …大丈夫さ。 安心してくれ。 心配は嬉しいが、お前の思ってるような事にはなっていないのさ」 卯月「…ごめんなさい。 うーちゃん、少し心配になっちゃって…」 提督「…心配から言ってくれたのはよく分かってるさ。 ありがとう。 お前は優しいな」 卯月「えっへへ〜、褒めても何も出ないぴょん!」 提督「…それじゃあ、俺は服を洗いに行ってくる。 …もうさっきみたいな悪戯をやるのはよせよ?」 卯月「司令官に寿命が縮まれたらやだからもうしないっぴょん!うーちゃんも、もうちょっと生きていたいっぴょん!」 提督「…? 俺が死ぬと、お前も死ぬのか?」 卯月「?当然っぴょん? 司令官が居ない世界を生きていける訳が無いっぴょん。 というか生きるイミ無いぴょん?」 提督「…成る程、そうかい。 なら、俺は長生きしないとな。 …できれば誰にも会いたく無いが…) 「あら、提督?どうしたんですか?」 提督「ッ!!」ゾクッ 提督「…やあ、こんにちは。 今日はいい天気だな」 扶桑「ええ、本当に。 提督と会うのにはいい日です」 提督(…ああ、全く。 ままならないな…) 提督「…どうしたんだ?何故洗濯場に?君もここに何か用事があるのか」 扶桑「ええ。 今、出来ました」 提督「いや、そういう事じゃなくてだな… …まあいい」 扶桑「提督はその軍服の汚れを落とす為でしょうか…血の様にも見えますが…」 提督「ああ、いやこれは…」 扶桑「でも提督の血では無いみたいですね。 提督に傷はありませんもの。 …血糊でしょうか?それとも、誰かの血?」 提督「…後者ではない事は言っておくぞ」 扶桑「もしそうだとしても、私は提督を拒絶したりはしませんよ?」 提督「…そんなに俺を犯罪者に仕立て上げたいか?」 扶桑「ふふ、冗談ですよ。 …失礼、髪にごみがついてますよ?」 スッ 提督「…ッ」 提督「…ああ、済まない。 まあこの汚れについては気にしなくていい。 ほら、君も用がないなら戻れ」 扶桑「…その軍服、よろしければ私が洗いましょうか」 提督「…わざわざ君に手を煩わすまでもない。 いいから戻れ。 君にも何か用事があるんじゃないか?」 扶桑「出撃は終えてきました。 用事も、特にはありません。 ですから、提督も気を使って下さらなくてもいいですよ?」 提督「…(どうせ、引くつもりは無いんだろうな)」 提督「…そこまで言うなら頼んでもいいか?」 扶桑「ええ、是非とも」 提督「…じゃあお願いしようか。 …それでは、俺は仕事に戻る」 扶桑「あら、もうですか? もう少し、話していきませんか?」 提督「申し訳無いがそれはまた今度だ。 それではな」 扶桑「…随分と急ぐんですね」 提督「…まあな」 扶桑「…そんなに私の事がお嫌いですか?」 提督「……ッ」 提督「…嫌いな訳は無いさ」 扶桑「…『好きだ』とは言ってくれないのですね」 提督「…」 バタン 扶桑「…ふふ」 扶桑(提督は恥ずかしがり屋ですね。 それとも私達の仲を他の人達から隠しているのかしら?どちらにせよ、悲しいわ) 扶桑(でも、我慢します。 例え冷たく接されそうと…) 扶桑(例え私を邪険にしても、私を否定しても、私以外の娘と話しても、他の人と仲良くしてても、他の娘を甘やかしても。 そして私に隠し事をしても。 全て許します。 最後に私の所に戻ってくるなら…) 扶桑(だって、それが『妻』たる者の役目ですものね。 あなたの愛を最後まで受ける事こそ私の役割だもの…) 扶桑「…」バサッ 【扶桑は躊躇いなく軍服を羽織った】 扶桑「ああ…ふふ… 不幸…いいや、幸せだわ。 」 提督(彼女は、扶桑は…基本的に無害ではあるんだが…何処か怖いんだよな…俺と話してる時にも何か別の、自分の世界に浸ってるような…俺と別の認識を持っているような…) 提督(そして何より、俺からの好意の言葉をいつもいつも言わせようとしてくる上に… …ああやっぱり。 発信機がつけられてる。 そういえば今日は遠征が完了する日だな」 提督「…秘書艦とあの娘は出来たら合わせたく無いな。 先に執務室に行かれてなくてよかった) 提督「…やあ、イムヤ」 伊168「あ、司令官! わざわざ迎えに来てくれたの?」 提督「…やあ、お疲れ様。 丁度ここらに来たからな。 折角だからこっちに来たのさ」 伊168「…嘘つき」 提督「…え?」ドキッ 伊168「本当は私達を…私を気遣ってこっちに来てくれたんでしょ?気を使って嘘までついて…」 提督(…何だ、そういう事か)ホッ 提督「…遠征で疲れてるかなと思ってな。 逆に怪しませてしまったか?」 伊168「ううん、ありがとう、司令官。 司令官のそういう所大好きよ」 ギュッ 提督「…急に抱きつくな」 伊168「いいじゃない、それ位」 提督「ああ、いや、まあ…」 伊168「……?」 伊168「…何かやましい事でもあるの?」 提督「!いや、そんな事は…!」 伊168「…そういえば随分と身体に他の女の子の匂いが染み付いてるもんね?その割には服はかなり真新しいみたいだし。 」 伊168「ひょっとしてわざわざ迎えに来てくれたのも執務室に入れたく無かったから?入られると都合が悪いから?服を着替えるような事をしてて、部屋に入れたくなかったから?」 提督「ッ!?ち、違う!!」 伊168「大丈夫よ、司令官が自分からそういう事をシただなんて思って無いから。 無理やりさせられたんでしょ?大丈夫、そんな子は私が居なくならせるから。 えっと、今日の秘書艦は…」 提督「やめろ、イムヤ! 違う、服を着替えたのはただイタズラで服が汚れてしまっただけであって…!」 伊168「イタズラ?そんな事されたの? それも、着替えなきゃいけないくらいに服が汚されるような?」 提督「……!(…馬鹿か、俺は!)」 伊168「イタズラっていうと…やっぱりあの子だよね?…ごめんね、前忠告しておいたんだけど…そしたら『他の皆がやっても許されない。 あれはうーちゃんだけの特権』なんてよく解らない事言われて誤魔化されちゃって…」 伊168「ごめんね、あの時私がもっとちゃんとしておけば良かった…ねえ、今からでも大丈夫?」 提督「ま、待て!やめろ!!」 伊168「…私を気遣ってくれてるの?大丈夫よ、私疲れてなんてないから。 」 提督「違う、やめろと言っているんだ!」 伊168「それに、司令官の為なら私いつでも、何でもできるわ。 だから…」 提督「…イムヤ、頼む…!」 伊168「…」 提督「…この鎮守府に居る皆は、全員が全員、掛け替えのない仲間なんだ。 誰かが欠けてしまったら悲しいだろう…!?」 伊168「司令官に迷惑をかける娘なんて要らない」 提督「…!!…頼む、イムヤ。 俺に出来る事なら何でもする。 だから…」 伊168「…司令官は優しいね。 イムヤ以外の子にも気を掛けてあげてて」 伊168「…分かったわ、司令官。 私、何もしないわ。 困らせちゃって、ごめんね?」 提督「…! 分かってくれたか…!」 伊168「うん。 …ただ…」 カチッ 『俺に出来ることなら何でもするから…』 提督「……!?(録音機!?)」 伊168「ふふっ。 そしてアレがある限り俺は逆らえん。 反故にしようとしても、逆上してしまう可能性があるからな) 提督(…正に、『詰み』だな) 提督「…とりあえず、イムヤはまた遠征に出しておこう」 提督(…全く。 次、帰ってきた時が楽しみでしょうがないな…) 提督(…嗚呼、頭も痛い) 提督(…っと、もうこんな時間か。 じゃ遠慮なく」 提督「…やあ北上。 結構久しぶりだな?」 北上「うん、久し振り。 …相変わらず凄い顔してるね」 提督「…そうか?」 北上「そうだよ。 ていうか、隈とか表情云々の前に、まず顔色が悪いもん」 提督「…さっき、ちょっとした修羅場をくぐってきてな」 北上「修羅場ってそんな『ちょっと』でくぐるようなもんだっけ?ほんと、提督も大変だねー」 提督「はは、ありがとう…」 北上「最近やばいもんねー、ウチ… ちょっと前までそんな事は無かったのにね」 北上「…いっそ逃げちゃおうか?」 提督「それは絶対に有り得ないな」 北上「あー…暴走されたら困るから?」 提督「…それもあるが。 俺は『提督』なんだ。 それをほっぽり出して何処かに行く訳には行かないだろう」 提督「…こんな白い顔をしておいて何をと思われるかもしれないが…これでも一応、使命感ってものがあるんだ」 北上「…ま、そう言うんならいいけどさ。 無理だけはしないでよ?」.

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